抗凝固薬はワーファリンからNOACの時代に入りつつある。
注意点は少なくなったが、半減期の短さから新たな問題点も出てきています。
「こんな指導せん欲しかった」
「ハイリスク加算の算定に使える」
そんな薬剤師の願いを叶える最高の指導せんをご紹介します。
これで、あなたも達人の服薬指導術をマスターしよう!
NOACはハイリスク医薬品
特定薬剤管理指導加算の対象医薬品です
1.NOACの基礎知識
ワーファリンに変わる新規経口抗凝固薬をNOAC(ノアック)と呼びます。現在、4種類が発売されています。
最近、学会などではDOAC(ドアック)直接経口抗凝固薬と呼ばれています。
薬剤名 | 成分名 |
---|---|
プラザキサ | ダビガトラン |
イグザレルト | リバーロキサバン |
エリキュース | アピキサバン |
リクシアナ | エドキサバン |
1-1.作用機序について
プラザキサは血栓が作られる最終段階のトロンビンを阻害することで効果を発揮します。
他の3種類はトロンビンの前段階である第Ⅹa因子を阻害することで効果を発揮します。
1-2.効能・効果について
複数の試験において、ワーファリンよりも有効性が高く、出血リスクも低いことが分かってきています。
年齢・体重・腎機能により用量が変わることがあるので注意が必要!
たまに体重・腎機能を聞いて用量をチェックしておこう。
1-3.適応疾患について
不整脈の1つである心房細動による血栓を予防する目的でよく使われます。
また、静脈血栓塞栓症いわゆるエコノミークラス症候群の治療・再発予防として使われることもあります。
2.服薬指導に使える指導せん
注意点をおさらいしながら、普段の服薬指導でどんどん活用してください。
薬わかるのおすすめ文言例を使ってみよう!
2-1.飲み忘れについて
ワーファリンとは違い半減期6〜12時間と短いので、飲み忘れるとすぐに効果がなくなってしまう。
10%の飲み忘れがあると、塞栓症のリスクが10%上がるというデータがあります。
受診間隔のズレや残薬の有無のチェックがとても大切です。
飲み忘れの服薬指導におすすめ!
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- 1週間に1〜2回飲み忘れただけで、再発リスクが高まってしまいます。
- 飲み忘れたときは、夕食後までに気付けば飲んでください。
2-2.副作用について
血液をサラサラにするお薬なので、血が止まりにくくなります。
プラザキサのみ中和剤のプリズバインドがありますが、他はまだ開発中です。
転倒リスクが高い患者だと、大きな出血を起こす可能性が高い!
特に、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を飲んでいる高齢者は注意が必要です。
出血リスクの服薬指導におすすめ!
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血液をサラサラにする薬で患者が最もイヤがる副作用です。
不安をあおらないように聞こう!
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- 睡眠薬を飲んでいると、転倒リスクが高くなるおそれがあるので注意すること。
- 鼻を強くかむと出血しやすいので、やさしくかみましょう。
2-3.手術時の休薬について
DOACの半減期は6〜12時間程度と短いため、1〜2日前からやめれば問題ありません。
一包化の場合は、誤って服用してしまうケースもあるため休薬日の確認と一包化の調整は必要でしょう!
検査や皮膚の手術・抜歯などでも休薬が必要になるケースがあります。
お薬手帳をいつも持ってこない患者さんには注意喚起が必要でしょう。
休薬の服薬指導におすすめ!
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市販されているEPA・DHAでも注意が必要です。
併用薬だけでなく、サプリメントも確認しておこう!
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- 検査や抜歯でも血液をサラサラにする薬を一時中止することがあります。
- 皮膚科や眼科など、医療機関に行くときは常にお薬手帳を携帯しましょう。
2-4.脳卒中の前兆について
脳梗塞は発症したら命に関わる病気なので、前兆を知っておく必要があります。
FASTは定期的に確認しておくといいでしょう。
脳卒中の服薬指導におすすめ!
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脳卒中は治療までのスピードが命を分ける。
早めに対応できるようにアドバイスが必要です。
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- これらの症状が1つでもあれば、急いで病院を受診してください。
- 毎朝、鏡の前で異常がないか確認する習慣をつくりましょう。
2-5.生活習慣について
エコノミークラス症候群は自宅でも起こる可能性があります。
旅の道中はもちろん、長時間同じ体勢が続くと危険!
定期的にストレッチをして、血が滞らないようにする必要があります。
高齢で歩行困難になっている患者は特に注意すること!
生活習慣の服薬指導におすすめ!
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エコノミー症候群は車中だけの話ではありません。
定期的なストレッチがとても大切です。
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- 家の中でも長時間同じ体勢でいることがないようにしてください。
- 旅行中は適度な水分補給とストレッチをするようにしてください。
2-6.脱水について
脱水により心房細動が誘発されるおそれがあります。
体液量の急な増減は心房に多大なストレスを与えるからです。
水分不足で血液がドロドロになると、血栓ができやすくなる。
冬場でも適度な水分摂取がとても大切です。
脱水の服薬指導におすすめ!
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水分の摂り過ぎは体液量を過剰に増大させて悪影響を及ぼすこともあります。
適度な水分補給がとても大切です!
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- 夏の暑い時期、汗をかくときは水分とミネラルを充分にとりましょう。
- 冬の寒い時期、水分摂取量が落ちるので気をつけてください。
まとめ
薬わかるの最高の指導せんを使えば、患者満足度も上がる!
「指導せんで始まる服薬指導」
あなたを薬わかるワールドへご招待します。
ようこそ達人の服薬指導術へ!
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コンプライアンス不良が疑われる場合は、1日1回製剤への切り替え・用法の変更など医師に提案してみよう。