服薬指導で患者を不安にさせない副作用の聞き方コツ5つ

よく服薬指導するコトの1つに副作用があります。こんな副作用はありませんか?ほとんどの患者に聞いていますよね!実はその言葉が治療をやめる一言になっているかもしれません。

1.副作用について

あなたは副作用をどこまで深く勉強していますか?添付文書で見るだけは最悪!どんな副作用があるのか聞くだけでは、薬剤師が服薬指導する価値はない。

1-1.対処方法

副作用を聞く前に「副作用の対処方法」は必ず学ぶべきです。添付文書などで副作用を見るときは一緒に対処方法を学ぶクセをつけましょう。服薬指導が上達するコツです!

副作用の対処方法

  • 薬を変える
  • 例)胃腸障害の少ないセレコックスに変更する。

  • 薬を増やす
  • 例)胃粘膜保護のためムコスタを追加する。

  • 用量を減らす
  • 例)1日3錠から2錠に変更する

  • 用法を変える
  • 例)朝食後から夕食後に変更する

    ※服用を続けるコトで改善していく副作用なのか・即中止する必要があるのか確認しておく。

2.こんな聞き方はダメ

あなたはこんな聞き方をしていませんか?その一言が患者を不安にさせ、治療の妨げになるリスクがあります。

2-1.聞きすぎはダメ

あなたは副作用をどれくらい聞きますか?何でもかんでも聞きすぎは薬に対する不安を煽るだけです。

話のネタがなくなると副作用にはしる薬剤師がいます。少なくとも患者にとって怖いイメージがある副作用は細心の注意を払って聞くべきでしょう。

副作用を聞くコトで起こる
2つの大きなリスク!

  1. 中止リスク
  2. 副作用が怖くて薬を飲まないケースがあります。過去に副作用でつらい思いをした患者は、些細な副作用にも敏感に反応しやすい!副作用歴がある患者には聞き方に気をつける。

  3. ノセボ効果
  4. プラセボ効果の反対で思い込みで体調が悪くなるのがノセボ効果です。「眠気が出やすい」と服薬指導しただけで、本当に眠気が出やすくなってしまう。

達人の服薬指導術
副作用を伝えるコツ

服薬指導で患者を不安にさせない薬の副作用の伝え方5つ

2016.08.15

2-2.副作用だけはダメ

服薬指導が副作用の確認だけで終わるケースをよくみます。薬剤師としてはいいかもしれませんが、患者にはネガティヴな印象しか残りません。もっと患者をポジティブにさせる服薬指導のシナリオを考えてみましょう!

2-3.聞くだけはダメ

よく副作用を聞くだけ聞いて「ある」と言われると困ってしまう薬剤師がいます。患者はなにか改善策やアドバイスを求めているはずです。

こんな副作用の聞き方は
していませんか?

患者例
腰痛で前回より痛み止めを飲んでいる患者

ロキソニン錠60mg  3錠
毎食後         28日分


服薬指導例

薬剤師
お薬を飲んで胃がムカムカしませんか?
患者
少しあるけどよく効いてるからこのまま続けます。
薬剤師
ひどくなるようであれば医師に相談してください。
患者
・・・はい。

もう2度と相談しようと
思いませんよね・・・

HAMAYO
あなたの服薬指導はこんなコトになっていませんか?副作用を聞くコトはとても大事です。でも聞いただけで終わるのは最悪な服薬指導だと思います。



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3.聞き方のポイント

治療に対して前向きに話を進めたほうが、患者は病気を前向きに考えてくれる。できれば病気の改善方法・検査数値の意味などを話の中心に!副作用の服薬指導は必要最小限にしておくのがポイント。

  1. 患者特性で選別する
  2. 過去に副作用をお伝えしたときに過敏に反応した患者は、薬歴に「副作用に敏感」など伝言を残しておく。薬を中止するリスクが高いので頻度が高い副作用だけ服薬指導したほうがいい。

  3. 医師の意向を確認する
  4. 医師から「注意してほしい副作用」を聞いているか確認します。聞いている場合は、対処方法を中心に服薬指導していく。

    聞いてない場合は、患者を心配させないように言葉を選んで服薬指導しましょう!治療の妨げになると最悪です。

  5. 最後に聞かない
  6. 副作用の確認を最後にすると、患者にネガティヴな印象を与えたまま服薬指導が終わるコトになります。副作用の確認は服薬指導の序盤でするといいでしょう。

    薬剤師は最後に会う医療従事者です!できれば最後はポジティブな印象を与えて病気に対して前向きになって帰って欲しい。

  7. 検査で判断できる場合
  8. 病院では患者が副作用で不安にならないように「次回、お薬が効いているか血液検査しときます」くらい簡単に説明しているコトがある。

    副作用が血液検査で判断可能なら、あえて初期症状など聞かない「血液検査予定・検査数値の異常がないか」確認するだけで十分なケースがあります。

  9. 副作用が多い場合
  10. 抗がん剤・ステロイド内服など副作用が避けられない薬があります。副作用を毎回チェックすることは重要ですが、聞きすぎは患者の気持ちをネガティヴにさせるコトがあります。

    検査値は良くなっているのか・日常生活でできるコトが増えてきたか、などポジティブな服薬指導を心掛けるといいでしょう。

4.まとめ

副作用は患者が不安に思うところ!上手に聞いて、対処方法はしっかり答えれるようにしましょう。患者との信頼関係を構築するポイントです。

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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!