便秘で血圧が上がる!?高血圧患者が便秘を治すべき理由4つ

トイレは高血圧の合併症が起こりやすい場所です。排便時に倒れて救急車で運ばれる患者がよくいます。なぜトイレで合併症が起こりやすいのか?実は便秘が大きく関係しています。

合併症のリスクが上がるだけでなく、便秘は血圧を上げる可能性もある。血圧と便秘の意外な関係性についてご紹介します。

1.どこから便秘なのか?

便秘に対する考えは患者と薬剤師で大きな認識の差があります。毎日排便があるのに便秘という患者・4日以上、便が出ないのに便秘ではないという患者。ではどこから便秘なのでしょうか?

1-1.便秘の定義

日本内科学会がだしている便秘の定義は「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」とされています。

これはかなり曖昧な表現なので、医師は便秘の指標等を参考に便秘の診断をしています。

便秘の指標

  • 排便の頻度(3〜4日以上の欠損)
  • 便形状(硬い便・水分量減少)
  • 排便時の気分(いきみ等の排便困難)
  • 排便後の気分(残便感・快便感覚の欠損)

※これらの症状が1つでも頻繁にあれば便秘の可能性がある。

1-2.加齢とともに増加

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便秘は女性に多いというイメージがあります。確かに若年層では女性に多いが、60歳から男性の割合が急増してきます!高齢者の半分以上が便秘で、下剤に頼った排泄をしている現実があります。




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2.便秘しやすい患者

生活習慣・ストレス・薬の副作用などいろいろな原因が重なって便秘になる。気づかずにあなたも便秘しやすい生活になっているかもしれません。

2-1.生活の変化

食の欧米化により便秘患者は昔に比べて増加しています。外食などで食物繊維が不足した食生活が続けば便秘をしやすくなるのは当然です。仕事のため便意を我慢してしまう・ストレスが多いことも便秘の原因になります。

2-2.薬の数が多い

服用する薬の数が多れけば便秘になるリスクも高くなる。高齢者は頻尿・持病の悪化で薬の数が多くなりがち!実は薬の副作用で便秘になってしまうコトがある。

便秘になりやすい薬

  • 咳止め : リン酸コデイン、メジコンなど
  • 頻尿改善薬 : バップフォー、ベシケア、ウリトスなど
  • 睡眠・安定剤 : レンドルミン、デパス、リーゼなど

3.血圧を上げる理由

なぜ便秘になると血圧が上がるのか、それには4つの理由があります。あなたはどんなことで当てはまりますか?

  1. 心理的ストレスの増加
  2. 便秘によるおなかの不快感から、イライラして睡眠の質も悪くなる。心理的ストレスは血圧を上げる大きな原因です。

    ヒトは体から何か出すとストレス解消になります。ゲップ・おなら・便秘を我慢すればストレスも上がってしまう。

  3. 便が硬いので、いきむ
  4. 便秘という自覚がなくても、便が硬い患者は要注意!強くいきむコトで血圧が30mmHg程度上がるリスクがある。

    血圧が急に上がると血管に多大なる負荷がかかります。毎回いきまないと排便できない方は便秘対策をしたほうがいいでしょう。

  5. トイレの温度差
  6. 冬場にトイレまで暖房をかけている家は少ない。リビングからの温度差に便座・足元の冷えが加わると血圧が30mmHg程度上がるリスクがある。高血圧の患者さんは、トイレまわりの冷え対策がとても大事です。

    HAMAYO
    冬場のトイレで強くいきむと60mmHgも血圧が上がるリスクがある!瞬間的に血圧が200を超えてくると倒れる危険性が高い。
  7. 老廃物の排出おくれ
  8. 便にはコレステロールをはじめ多くの老廃物が含まれています。実は4日以上の便秘が続くと脂質再吸収・有害物質の発生が起きてくる。これが悪玉コレステロール・血圧を上げるリスクになってしまう。

    動脈硬化がすすみ心筋梗塞や脳卒中を発症するおそれもあります。2日に1回は排便があると理想です。

4.便秘の解消方法

巷ではいろいろな便秘解消法が紹介されています。できれば生活習慣の改善で便秘を治したい!あなたへいくつかの方法をご紹介します。

便秘でしんどいからと「いきみ」すぎるのは絶対にダメ!高血圧が悪化します。早く出したいときは坐薬や浣腸を使用するべきです。

4-1.生活習慣の改善

成人は1日20gの食物繊維が必要とされています。しかし日本人は10g程度しかとれていない!食物繊維の多い食品を意識的にとる必要があります。どんな食材に多く含まれているのか知りましょう。

食物繊維が多い食材

  • りんご・バナナ・ヨーグルト
  • 納豆・きのこ・こんにゃく
  • オリーブオイル・海藻類

4-2.健康食品の活用

加齢により腸内の善玉菌は減少していきます。高齢者では食事量の減少・水分不足から若い時のように便が出なくなったと訴える患者が多い。

高齢者は特に菌活が必要です!発酵食品を食べるにも限界があります。健康食品のチカラを借りてみませんか?

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4-3.下剤の使用

生活習慣の改善・健康食品で便秘が治らないときは下剤を飲む必要があります。酸化マグネシウムなど腸を刺激しないタイプの下剤から始めましょう。

コーラックなどに含まれるセンナは腸を刺激するので習慣化しやすい。刺激性下剤の乱用は便秘を悪化させるおそれがあります。

5.記事の指導せん

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HAMAYO
薬剤師からのコメント
意外にも便秘を自覚していない患者さんが多くいます。高血圧の患者さんにはぜひお渡ししたい指導せんです。

6.まとめ

高血圧に便秘が合わさると合併症のリスクが上がります。便が硬く、いきむ回数が多い患者さんは早急に改善しましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!