お酒の飲み過ぎは生活習慣病の原因になるが、適量のアルコールは体にとてもいい影響をもたらします。お酒と薬は一緒に飲んだらダメ?実は、適量であれば影響は少ない。
高血圧・高脂血症の患者さんには医師からの禁酒指示がなければ、適量飲酒をおすすめしたいくらい素晴らしい効果があります!
1.お酒の体への影響
アルコールの90%は肝臓で代謝されてアセトアルデヒドという有害物質に変わります。その後、代謝酵素のはたらきで酢酸に分解されて水と炭酸ガスとして排泄されていく。
1-1.アセトアルデヒドの作用
アセトアルデヒドには血管を拡張する作用があります。そのためお酒を飲むと、顔が赤くなり、一時的な血圧低下や脈拍増加がおこる。アセトアルデヒドの分解につれて、血圧は上がっていきます。
お酒を飲み過ぎると、悪酔いの原因となる過剰なアセトアルデヒドが作られる。脳に影響をあたえ、記憶障害・ふらつき・吐き気といった症状を引き起こします。
1-2.代謝酵素の個人差
アセトアルデヒドを分解する代謝酵素には個人差があります。女性よりも男性の方が、年輩よりも若者の方が代謝酵素の能力が高いとされています。
分解能力が低い人はすぐに顔があかくなる傾向にあるが、正確には検査をしないと分かりません。郵送で簡単に検査できるのでやってみましょう。
アルコール代謝能力を
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1-3.お薬への影響
お酒は薬の効果にも影響をあたえます。血行が良くなり薬の効果が上がると、副作用の原因になるコトもある。インターネットで検索してもお酒と薬は一緒に飲んだらダメと書いてある記事が多い。
2.お酒と薬の飲み合わせ
お酒と薬は一緒に飲んだら絶対にダメなのか?それでは生活習慣病にかかったら生涯アルコールが取れなくなってしまう。実は、お酒と薬の飲み合わせは、一部の薬を除いて適量であれば影響は少ない!
現役薬剤師が教える
お酒を飲める条件4つ
- 病状が安定している
- 自制ができる
- 併用薬に注意できる
- 適量の目安が分かる
血圧が160を超えるなど、病状が安定していない患者さん。最近、お薬を飲み始めた患者さんは、病状が落ち着くまでは飲酒を控えた方がいいでしょう。
飲み過ぎは副作用のリスクを高めます。適量で抑える自制心が必要!仕事の関係でお酒を飲む機会が多いあなたへ、お薬を朝に変更できないか医師に相談してみるといいでしょう。
薬の効果に影響を受けやすいお薬があります。副作用が出やすくなるので、こちらのお薬を飲んでいる患者さんはアルコールを控えるべきです。「お酒を避けるお薬」以外でもあるので、くわしくは薬剤師に聞いてみましょう。
睡眠薬・精神安定剤(レンドルミン、マイスリー、デパス、リーゼなど)はお酒の影響が出やすいので注意!抗トリコモナス剤(フラジール)はたとえ時間をあけてもお酒を飲めません。
アルコール換算で20gが適量です。お酒の度数・種類により適量が違うので、目安を覚えておきましょう。顔がすぐにあかくなる人はもう少し量を減らす。
- ビール : ロング缶(500mL)
- チューハイ : ロング缶(500mL)
- ワイン : グラス1杯半(200mL)
- 日本酒 : 1合(180mL)
- 焼酎 : ぐい飲み1杯(70mL)
- ウイスキー : ダブル1杯(60mL)
2-1.お酒がなくなる時間
適量のお酒であれば、アルコールは3時間程度で体からなくなる。よくお酒は睡眠薬と一緒に飲むとダメと言われますが、夕食時の飲酒から十分に時間が経っていれば影響は少ない。気になる方は自宅で簡単にできる簡易チェッカーがおすすめです。
体にアルコールが残っているか
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3.適量飲酒のメリット4つ
適量のアルコールは体に素晴らしいメリットをあたえます。生活習慣病でお薬を飲んでいる患者さんは適量飲酒を心掛けましょう!
※医師からの禁酒指示がある場合、お酒は一切飲めません。
- リラックス効果
- 血圧を少し下げる
- 血栓の予防になる
- 体をあたためる
友達と楽しく話しながら飲むとストレスも発散されます。これは気持ちを楽しくさせる脳内物質「ドーパミン」の分泌が促進しているからです。
さらに気持ちを落ち着かせる脳内物質「セロトニン」の分泌も促進します。家でチビチビとお酒を飲みながら映画を観るとリラックスしますよね。
適量飲酒で血圧が3〜5mmHg下がるというデータがあります。高血圧の患者さんは健常人に比べて立ちくらみが起こりやすいので、立ち飲みよりも座り飲みがおすすめです。
おつまみは塩分・カロリーの高い食べものが多いため食べ過ぎには気をつけましょう。かえって血圧を上げる原因になります。
適量飲酒で健常人に比べて3割程度、脳梗塞・心筋梗塞の発症が抑えられたというデータがある。適量のアルコールは動脈硬化の予防となる善玉コレステロールを増やすことが分かっています。
お酒を飲むと血行が良くなるので、体がポカポカして体温が上がります。冬場は女性の悩みで多い冷えにも効果的です!ホットワイン・梅酒は自宅でも簡単に作れるのでおすすめです。
4.記事の指導せん
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生活習慣病の薬を飲んでいる患者さんにお渡ししたい指導せんです。適量飲酒には素晴らしい効果が期待できます。
5.まとめ
適量飲酒の効果は素晴らしいが、お薬と一緒に飲むと副作用も心配です。医師・薬剤師とよく話し合ってお酒を楽しみましょう!