グレープフルーツと食べ合わせが悪い薬はたくさんあります。あなたが飲んでいるお薬は大丈夫ですか?知らずに食べていると副作用がでるおそれがある。
なぜ飲み合わせが悪いのか!?実はフラノクマリンという酵素を含む果実はすべて食べれない。みなさん誤解して柑橘系がダメと言いますが、柑橘系が全部ダメではない。食べられる柑橘系の果物についてもご紹介します。
1.なぜ飲み合わせが悪いのか
薬は体内に入って効果を発揮すると、代謝・分解を受けて次第に効果が弱まっていきます。グレープフルーツには「フラノクマリン」と呼ばれる酵素が多く含まれている。
フラノクマリンは薬の代謝酵素の1つである「シトクロムP450のCYP3A4」を阻害します。この代謝を受ける薬は分解が遅れて体内に留まることで、薬の効果が強くなる!
1-1.副作用が出やすくなる
薬の効果が強くなれば、副作用が出やすくなります。降圧薬であればふらつき等に注意する!知らずにグレープフルーツを食べ続けたため、低血圧で救急搬送されたケースもあります。
1-2.時間・量は関係ない
グレープフルーツを食べる量が多ければ影響も大きくなります。食べてから数日間は効果に影響する!誤って多量に食べてしまったときは薬を控えてもいいかもしれません。
1-3.無果汁も注意!
「果汁5%以下は無果汁と記載して良い」というルールがあります。グレープフルーツ風味でも少量は果汁が含まれていることがあるので、少なからず影響する可能性があります。
2.飲み合わせが悪い薬
グレープフルーツとの相互作用により効果が強く出る薬は降圧薬だけではありません。あなたが飲んでいるお薬は大丈夫ですか?
2-1.血圧を下げる薬
Ca(カルシウム)拮抗薬という種類の降圧薬だけ注意が必要です。他の降圧薬は大丈夫!効果が強くでることで、頭痛や立ちくらみといった症状がでやすくなります。
薬の種類により影響の度合いが違う!薬によってはグレープフルーツを飲んでも良いと言われるケースもあります。
- カルブロック(アゼルニジピン)
- アテレック(シルニジピン)
- コニール(ベニジピン)
- アダラート(ニフェジピン)
- ワソラン(ベラパミル)
- レザルタス(配合剤)
影響が大きい
- ノルバスク(アムロジピン)
- ヘルベッサー(ジルチアゼム)
影響が小さい
※これらの他にもCa拮抗薬を含む薬・配合剤はあります。あなたの飲んでいる薬が大丈夫なのか薬剤師に聞いてみましょう。
2-2.メンタル系の薬
一部の睡眠薬・安定剤で注意が必要です!睡眠薬はアルコールと一緒に飲むことでさらに効果が強くでます。早朝のねむけ・倦怠感により事故を起こすリスクが高くなる。
- ハルシオン(トリアゾラム)
- セルシン(ジアゼパム)
※お酒との併用も控える。
2-3.コレステロールを下げる薬
一部の高脂血症薬で注意が必要です!これらの薬を飲んでいる患者さんは横紋筋融解症の初期症状を知っておく。週刊誌でも話題になったクレストールはグレープフルーツを食べても大丈夫です。
- リポバス(シンバスタチン)
- リピトール(アトルバスタチン)
- カデュエット(配合剤)
横紋筋融解症ってなに⁉︎
2-4.その他
他にも不整脈・免疫抑制剤・てんかんの薬などで効果が強く出るおそれがあります。これらの薬は効果の有効域が狭いため厳密な治療が必要です!外食などで誤って食べないように注意しましょう。
- アンカロン(アミオダロン)
- ネオーラル(シクロスポリン)
- プログラフ(タクロリムス)
- プレタール(シロスタゾール)
3.他の果物も要注意!
飲み合わせを気をつける果物はグレープフルーツだけではありません。フラノクマリンが入っている果物は他にもあります。影響が小さいモノもありますが、食べるのは控えたほうがいいでしょう。
3-1.食べれる果物
食べれない果物を見ると柑橘系・みかんまで全部ダメと勘違いする患者さんがいます。こちらは影響がない果物なので参考にしてください。
4.記事の指導せん
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5.まとめ
グレープフルーツ好きにとっては悲しいお知らせですが、低血圧で倒れた事例もあります。影響のある薬を飲んでいる患者さんは果物を食べるときは注意してください!
グレープフルーツで影響がある薬を飲んでいるすべての患者さんにお渡ししたい指導せんです。知らずに飲んでいる患者さんがとても多い現実があります。