「親の認知症ってどれくらい進行してるの」
認知症の進行度は診察では判断しづらく、家族のかかわりがとても重要!気づいた時には、家族の名前も分からないほど進行しているコトだってあります。
「進行度をはかるテストってないのかな」
「どんな事に気をつけたらいいのかな」
認知症の進行度を知るために家族が関われることについて、現役薬剤師のHAMAYOが語ります。

1.認知症に効く薬の一覧
現在、認知症を治すという薬はありません。すべて進行を抑えるためのお薬で、症状に合ったお薬を処方してもらう必要があります。
1-1.コリンエステラーゼ阻害薬
脳内アセチルコリン濃度を高めることで認知症の進行を遅らせるお薬です。飲み薬からパッチ剤まで様々なタイプが発売されています。
注意点として、飲み始めに吐き気・胸焼けなどの副作用が出るおそれがあるため、低用量から体に慣れさせて増量していく必要があります。
- アリセプト:1日1回服用
(成分名:ドネペジル) - レミニール:1日2回服用
(成分名:ガランタミン) - イクセロン・イクセロン:パッチ剤
(成分名:リバスチグミン)
1-2.NMDA受容体拮抗薬
脳内グルタミン酸濃度を適切に保つことで認知症の進行を遅らせるお薬です。症状によってはコリンエステラーゼ阻害薬と併用もできます。
怒りっぽい・徘徊するなど行動が活動的になっている患者を沈静化させる作用もあります。眠気・めまいといった副作用が出るおそれがあるため、転倒に気をつける必要があります。
- メマリー
(成分名:メマンチン)
2.診察では分かりにくい進行度
認知症の進行具合は高血圧のように数値化できないので、診察がとても難しい病気です。一緒に暮らす家族からの情報提供が診察にとても役立ちます。
2-1.支えてくれる人の存在
家族・ヘルパー・近所の知り合いでもいいので、認知症の患者の生活をよく知る人はぜひ診察室に同行して欲しい。医師も患者に合った薬をより処方しやすくなります。
2-2.身の回りのことについて
買い物・服装・食事の支度など些細なことでもいいので、出来ないことがあればメモしておきましょう。出来ないことが増えてくれば、認知症が悪化しているサインかもしれません。
2-3.感情や気持ちについて
苛立ち・不眠・意欲低下などちょっとした感情の起伏、気持ちの変化があればメモしておきましょう。性格の変化が際立ってくれば、認知症が悪化しているサインかもしれません。
3.進行段階による症状チェックリスト
医師が短い診察時間で患者の症状をすべて把握するには限界があります。家族などの身内が症状をチェックして報告することで、医師も患者に合った薬を処方しやすくなります。
3-1.気になる初期症状
日常生活では気にならない程度のものでも、頻繁に起こるようであれば要注意!お会計のときにいつもお札ばかり使い、小銭だらけの財布は認知症の悪化サインかもしれない。
- 家計を管理できない
- 買い物で必要なものを買えない
- 小銭まで計算してお会計できない
- 物事の段取りをつけられない
3-2.注意したい中期症状
1人で生活することが少しずつ困難になり、感情の起伏が激しくなると、家族とのコミュニケーションもとれなくなってくる。薬の変更で対応できるケースもあるので、何が出来ないか医師に報告しよう!
- 季節に応じた服装を選べない
- 毎日の入浴を忘れる・嫌がる
- 一人で買い物ができない
- 感情の起伏が激しく、睡眠が不安定
3-3.ヤバい末期症状
ここまでくると家族の名前も分からなくなり、排泄もままならない状態になることがあります。ヘルパー等の援助を受けて、家族の負担にならないように支え合いましょう。
- 一人で服を着ることができない
- 一人で入浴することができない
- トイレの水を流すのをよく忘れる
- 尿失禁や便失禁がたまにある
4.記事の指導せん

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認知症患者の処方箋を取りに来られた家族・ヘルパーさんにお渡ししたい指導せんです。
5.まとめ
私たちがおこなう医師への些細な情報提供が認知症患者の進行を遅らせる最大の一手になるだろう。