自動車の運転が禁止されている抗アレルギー薬等への対応方法3つ

「車の運転をするなって!?ムリだろ」

そのお気持ちスゴく分かります。
地方の人にとって、車は生活にかかせない存在です。

「車の運転は絶対にダメなのか」
「そんな説明は一切なかったぞ」

タクシー・トラックの運転手だけでなく、高齢者・主婦も、みんな車を使います。運転をしないって仕事・生活ができないじゃないか!?

HAMAYO
どうも、達人の服薬指導術、薬剤師ライターのHAMAYOです。

医師・薬剤師から、車の運転をしないように言われた患者のみなさーっん。

今回は、そんなあなたに贈りたい!
車の運転が禁止されている薬を処方された時の対応方法をご紹介します。




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1.自動車の運転が禁止されている薬

抗アレルギー薬だけでなく、いろいろな薬で車の運転が禁止されています。実は、あなたが日常飲んでいる薬も入っているかもしれません。

1-1.抗アレルギー・抗ヒスタミン薬

眠気がでるといえば、抗ヒスタミン薬を思い浮かべる人が多いでしょう。花粉症、風邪、かゆみなど、いろいろな病気で処方されています。

抗アレルギー・抗ヒスタミン薬の例

  • アレロック
    (成分名:オロパタジン)
  • ザイザル
    (成分名:レボセチリジン)
  • ゼスラン・ニポラジン
    (成分名:メキタジン)
  • ピーエイ・PL
    (成分名:プロメタジン1.35%等非ピリン系感冒剤)

1-2.抗不安・睡眠薬

有名なデパスをはじめ、ほとんどの精神科薬で車の運転が禁止されている。抗不安作用だけでなく、肩こり、めまい、高血圧までいろいろな効能で使われています。

抗不安・睡眠薬の例

  • デパス
    (成分名:エチゾラム)
  • レンドルミン
    (成分名:ブロチゾラム)
  • リーゼ
    (成分名:クロチアゼパム)
  • ソラナックス・コンスタン
    (成分名:アルプラゾラム)

1-3.禁煙補助薬・その他

前兆のない突発的な眠気、目がぼやけるなどの理由で車の運転を禁止している薬もあります。咳でよく処方されるメジコンも車の運転はできないんですね。

禁煙補助薬・その他の例

  • チャンピックス
    (成分名:バレニクリン)
  • トラムセット・トラマール
    (成分名:トラマドール)
  • メジコン
    (成分名:デキストロメトルファン)
  • ミノマイシン
    (成分名:ミノサイクリン)
HAMAYO
他にもたくさんの薬があります。
京都大学付属病院薬剤部がまとめている一覧がとても見やすかったのでご紹介します。

その他の一覧はコチラへ

2.医師・薬剤師からの説明について

車の運転が禁止されているということは、眠気がでやすいというコトです。あなたは薬をもらうとき、次の3つのうちどの説明を受けましたか?

  • 「眠気がでやすいので注意してください」
  • 眠気がでる可能性があるコトは説明されたが、車の運転については説明されていない。

  • 「眠気がでるので、車の運転はしないでください」
  • 眠気がでる可能性があるコトだけでなく、車の運転が禁止されていることも説明された。

  • 「特に何も聞いていない」
  • 何に効く薬か説明を受けただけで、副作用・車の運転に関する説明はされていない。

2-1.厚生労働省の見解

平成25年5月に厚生労働省からの通知で、車の運転等に関わる服薬指導を徹底するよう、すべての薬局薬剤師に通達がでています。

しかし、現実は約15%の薬局がこの通達を把握していない。これらの薬局は今すぐに通知を確認するべきだろう。

詳細はコチラへ

2-2.薬局薬剤師としての見解

注意喚起をしない理由として、生活に車が絶対必要という地方・仕事上の悲しい現実があります。

病気の治療を優先させるために、あえて眠気がでる程度に説明を留めておく。眠気を意識させすぎることで起こるノセボ効果を防ぐためという理由もあるだろう。

ノセボ効果とは

思い込みで体調が悪くなってしまうことです。眠気がでやすいと言われると、眠気がでない薬でも本当に眠くなってしまうことがある。




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3.日常生活で気をつけること

車の運転等を禁止されている薬を飲んでいても、たいていの人は眠気等の副作用もなく、普通に車の運転をしている現実がある。

3-1.現実的に一律禁止は不可能

治療のために車の運転等を一律に禁止するのは現実的ではない。患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドラインではこう述べられている。

ガイドラインの内容

薬の開始時、増量時などに、数日は運転を控え眠気等の様子をみながら運転を再開するよう指示する。その後も適宜必要に応じて注意を促す。

3-2.自動車運転についての見解

ガイドラインの内容をふまえ、薬と生活のバランスをとった服用方法をご紹介します。

※車の運転を推奨するものではなく、判断は自己責任でお願いします。

  1. 飲みはじめは、特に注意する
  2. 最初は夜に飲むなど、様子をみながら飲みはじめる。どうしても車の運転が避けられないときは、細心の注意を払ってするようにしましょう。

  3. 日常生活に支障があれば、相談する
  4. どれだけ効果のある薬でも、生活に支障がでるようなら意味がありません。類似薬で体に合った薬があるかもしれないので、些細なことでも医師に相談しましょう。

  5. 可能であれば公共交通機関にする
  6. 家の近所のスーパー・コンビニに行くくらいなら歩いていきましょう。この機会にバス・電車を利用してみると、いつもと違った風景に新しい発見があるかもしれません。

3-3.事故は自己責任です

あなたが車の運転を禁止されている薬を服用中に事故を起こしても、それは自己責任です。たとえ説明を受けていなくても、医師・薬剤師に損害賠償を求めるのは難しいでしょう。

4.記事の指導せん

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HAMAYO
薬剤師からのコメント
車の運転等を禁止されている薬を処方された、すべての患者さんにお渡ししたい指導せんです。

5.まとめ

「車の運転を禁止って仕事を辞めろってことか!?」

そんなことはありません。
あなたに合ったお薬を探しましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!