「子供のとびひがなかなか治らない!」
夏になると流行りだす、とびひの脅威に子供たちは苦しめられていることだろう。
子供の皮膚病に悩んでいる保護者のみんなーっ。
あせも、虫刺され、とびひ、水イボ、水虫・・
皮膚科に行けば、長時間待たされ、
掻くな!といっても掻くチビッ子たち。
わたしも1人娘の父親として、こう思います。
「早く治してプールに入れてあげたい」
今回は、夏になると多発するとびひの基礎知識・治療法・日常生活の注意点についてご紹介します。
1.とびひとは?
正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。黄色ブドウ球菌などの菌が感染して発症します。
1-1.とびひの症状・種類
主にじゅくじゅくタイプとかさぶたタイプの2種類があります。
- じゅくじゅくタイプ
- かさぶたタイプ
ほとんどのとびひはこのタイプです。
最初は小さな水ぶくれから始まり、掻いたりしていくうちに、菌が顔・体のあちこちに飛んで水ぶくれを形成します。
溶連菌が原因となる厄介なタイプです。
じゅくじゅくから、やがて厚いかさぶたをつくり、発熱などの症状を伴うこともあります。
1-2.とびひになりやすい体質
もともと皮膚のバリア機能が低下しているアトピー・乾燥肌の子供はとびひになりやすい。
また、虫刺されやあせもを適切に処置しないで放置していると、掻き傷から感染しやすくなります。
1-3.プールには入れない
とびひは感染力が強いため、皮膚のふれあいで容易にうつる。そのため、日本皮膚科学会がプール禁止を学校・保育園に指導しています。
2.とびひの薬と治療法
主に抗生物質の飲み薬と化膿止めの塗り薬で治療します。MRSAと呼ばれる抗生物質に耐性をもつとびひになることもあるので飲み薬は最後までしっかり飲みましょう。
2-1.よく使われる抗生物質の飲み薬
じゅくじゅくタイプには主にセフェム系抗生物質が3〜7日処方されます。
かさぶたタイプには主にペニシリン系抗生物質が10日処方されます。
※これら以外の抗生物質が処方されることもあります。
- セフゾン
(成分名:セフジニル) - フロモックス
(成分名:セフカペンピボキシル) - メイアクト
(成分名:セフジトレンピボキシル)
- パセトシン・サワシリン
(成分名:アモキシシリン)
2-2.よく使われる化膿止めの塗り薬
ケガなどでよく処方されるゲンタシン軟膏はMRSAによる難治性のとびひに効果が乏しい。最近では、効果の高いキノロン系の化膿止めがよく処方されています。
- アクアチム軟膏・クリーム
(成分名:ナジフロキサシン) - ゼビアックスローション
(成分名:オゼノキサシン)
2-3.症状により使われる薬
かゆくて掻きむしるときは、かゆみ止めの飲み薬が処方されます。炎症がヒドイ場合、短期間の使用でステロイド外用薬が処方されることもあります。
3.日常生活での注意点
感染を拡大させないために、他人との肌のふれあいに注意する。早く治すためには、掻かないようにするコトが重要!
- 兄弟間で感染させない
- 掻かないようにする
- 患部はやさしく洗う
肌が直接触れ合うような遊び・タオルや衣服の共有は避けた方がいいでしょう。お風呂は兄弟別々で入るようにする。
爪を短く切り、掻いてしまっても悪化させないようにします。軟膏を塗ったあと、通気性の良いガーゼで覆うようにしましょう。
お風呂では患部をこすらず、モコモコの泡で優しく洗うようにする。患部の水分を拭き取ってから、軟膏を気持ち多めに塗ってください。
4.記事の指導せん
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とびひと診断されたすべての子供たち、大人の方にお渡ししたい指導せんです。
5.まとめ
とびひなんて早く治して、外遊びを楽しみましょう!
夏は楽しい遊びでいっぱいです。