てんかんと聞くと、どのような症状を思い浮かべますか?
「気を失い、いきなり倒れる」
「けいれんが起きて、泡をふく」
皆さんが思うような発作は、ほとんどの患者でコントロールできているため、遭遇するのは稀です。
今回は、てんかん発作の種類・日常生活で気をつけることをご紹介します。
まわりの協力があれば、てんかんの病状は必ず良くなります!
1.てんかんの発作とは?
一般的に思い浮かべるような発作はごく一部です。
その他の多くの発作は、まわりの人が知っておかないと、見過ごしてしまいます。
1-1.大発作(強直間代発作)
全身の筋肉がこわばり、しばらく動けなくなります。
患者によっては前兆があるので対策できるが、てんかん患者が最も避けたい発作でしょう。
他にも、全身の筋肉の力が抜けて、急に倒れる「脱力発作」があります。
こちらは前兆がなく、受け身がとれないので、顔のケガにつながりやすい。
1-2.小発作(欠伸発作)
ほんの数秒、意識が飛び、すぐに回復します。
まぶたがビクつく・体を一瞬ビクッとさせるなど、誰にでも起こりそうな発作も含まれます。
友達と話していたら、一瞬ボーッとしていた。
こんな人も、その頻度によってはてんかんかもしれない!?
注意力散漫だったあの子は、もしかしたら「てんかん」だったかもしれません。
1-3.その他の発作
舌舐めずり、手を揉み続ける、礼拝のような動作をするなど、他にもいろいろな種類の発作があります。
2.てんかんを治す方法
発作をコントロールできれば、普通の人と何ら変わらない生活を送れます。
では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?
2-1.症状がない状態を維持する
てんかんを完全に治すのは難しいが、ほとんどの患者において、発作が起こらないようにするのは可能です。
いかにこの良い状態を維持できるかがキーポイントでしょう。
2-2.体に合った適切な薬の処方
医師の診断だけで、体に合った薬を処方するのは限界があります。
患者本人だけでなく、家族やまわりの人々が発作の頻度・状況を記録し、診察に役立てることが大切です。
患者本人が認識できない軽微な発作もあります。
この軽微な発作を抑えるには、まわりの協力がキーポイントでしょう。
2-3.お薬を飲む習慣をつける
たとえ発作がまったくない状態が続いても、お薬を急にやめてはいけません。
これまで積み上げてきた治療の成果がアワとなってしまいます。
自己判断でお薬を控えることもよくありません。
症状が安定していても、しっかり続けましょう。
3.日常生活で気をつけること
本人が意識していないような小発作の頻度を記録しましょう。
医師が患者に合った薬を処方するには、この記録がとても重要になります。
3-1.発作日誌をつけよう
どんなに軽微なことでもいいので、おかしいと思う行動があれば、なるべく記録に残すようにしましょう。
- 発作の種類・継続時間
- 起こった時間帯・まわりの状況
- 飲み忘れの有無・服用時間のズレ
- 睡眠時間・体調・ストレス
3-2.まわりの協力が大切
患者本人が自覚できない発作も多いです。
家族・友達・恋人など、親しい人は、どのような発作があるのか知ることが大切です。
できれば診察室に一緒に入って、本人が認識できていない状況などを医師に伝えましょう。
それが、治療を早く良い方向に進める最善の方法です。
4.記事の指導せん
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てんかん患者本人だけでなく、家族・友達・恋人・医療スタッフすべての人にお伝えしたい指導せんです。
まとめ
まわりの人が協力して、てんかん日誌をつけ、体に合った適切な薬を処方できるようにしよう!