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１．糖尿病の検査値HbA1c＆血糖値グラフ
指導せんをお渡しするときに役立つ服薬指導のポイントです。薬歴・次回の服薬指導計画に使える参考文言もご紹介します。
- 成人のHbA1c目標
- 高齢者のHbA1c目標
- 一般的な血糖値目標
妊婦・高齢者を除く成人のHbA1c目標値は３段階に分かれています。処方せんからの情報だけでは判断できないので、必ず患者本人から目標値を聞いてください。
目標値を確認しないまま検査値について下手に服薬指導すると、患者が混乱してしまいます。HbA1c７.９程度でも経過良好としているケースはよくあります。
成人（高齢者・妊婦を除く）の
血糖コントロール目標
| 目標 | HbA1c |
|---|---|
| 血糖正常化を目指す際の目標 | ６.０未満 |
| 合併症予防のための目標 | ７.０未満 |
| 治療強化が困難な際の目標 | ８.０未満 |
※治療強化が困難とは、低血糖などの副作用、生活習慣・服薬コンプライアンス不良などの問題が是正されない場合です。
ＥＰ：目標HbA1cは◯◯だと確認。検査値が目標値以内に入っていても飲み忘れなく服用を続ける必要があると説明。
ＯＰ：コンプライアンス（受診間隔のズレ）の確認。
高齢者では認知機能の低下や低血糖の危険性も高くなるため、本人だけでなく家族・周囲のサポート体制も考慮して目標が決められます。
ＳＵ剤・グリニド薬・インスリンといった重症低血糖を起こすリスクが高い薬剤を使用している患者ではHbA1cの下限値も定めています。
高齢者（重症低血糖リスク薬剤服用なし）の
血糖コントロール目標
| 患者の特徴・健康状態 | HbA1c |
|---|---|
| 認知機能正常 かつ ＡＤＬ自立 |
７.０未満 |
| 軽度認知障害 または 手段的ＡＤＬ低下 基本的ＡＤＬ自立 |
７.０未満 |
| 中等度以上の認知症 または 基本的ＡＤＬ低下 または 多くの並存疾患や機能障害 |
８.０未満 |
高齢者（重症低血糖リスク薬剤服用あり）の
血糖コントロール目標
| 患者の特徴・健康状態 | HbA1c |
|---|---|
| 認知機能正常 かつ ＡＤＬ自立 |
６５際以上〜７５歳未満： ７.５未満 （下限６.５） ７５歳以上： ８.０未満 （下限７.０） |
| 軽度認知障害 または 手段的ＡＤＬ低下 基本的ＡＤＬ自立 |
８.０未満 （下限７.０） |
| 中等度以上の認知症 または 基本的ＡＤＬ低下 または 多くの並存疾患や機能障害 |
８.５未満 （下限７.５） |
※基本的ＡＤＬとは着衣・移動・入浴・トイレの使用など、身の回りのことを指す。手段的ＡＤＬと買い物・食事の準備・服薬管理・金銭管理など、少し複雑なことを指す。
ＥＰ：今回のHbA1cは◯◯だと確認。ＳＵ剤の服薬があるため、引き続き低血糖の初期症状があれば早めに対応すると説明。
ＯＰ：副作用：低血糖の初期症状（強い空腹感・冷や汗・手指のふるえ）の確認。
HbA1cとは過去数ヶ月間の血糖の平均値なので、血糖値の日内変動が激しい患者を見つけることはできません。変動が激しいと、血管を痛めやすくなり、高血糖と低血糖を繰り返す恐れがあります。
合併症予防のための血糖値目標は空腹時血糖値１３０mg/dL未満、食後２時間後血糖値１８０mg/dL未満をおおよその目安としています。
ＥＰ：血糖値の乱高下があると血管に負担がかかるため、HbA1cだけでなく血糖値の変動にも気をつけると説明。
ＯＰ：検査値：血糖値（空腹時もしくは食後）の確認。
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２．こんな患者さんにおすすめ
糖尿病の患者にお渡ししたい指導せんです。検査値は単発で確認するよりも、継続した管理が大切なので、お薬手帳にはさんでご活用ください。
２-１．対象患者例
- １型糖尿病の治療
- ２型糖尿病の治療
２-２．対象薬剤例
糖尿病治療薬
- スルホニル尿素薬（ＳＵ）
（薬剤例：アマリールなど） - 速効性インスリン分泌薬
（薬剤例：シュアポストなど） - ビグアナイド薬
（薬剤例：メトグルコ） - チアゾリジン薬
（薬剤例：アクトス） - αグルコシダーゼ阻害薬
（薬剤例：セイブルなど） - ＤＰＰ４阻害薬
（薬剤例：ジャヌビアなど） - ＳＧＬＴ２阻害薬
（薬剤例：ジャディアンスなど） - インスリン製剤
（薬剤例：ヒューマログなど）
３．達人の服薬指導術
薬わかるが提案する服薬指導例です。
検査値の確認をするときの患者向けに考えてみました。
ところで、医師からHbA1cをどこまで下げるように聞いていますか？
ちなみに今はどれくらいでしょうか？
糖尿病検査値表がありますので、よろしければ次回検査した時も教えてください。お薬手帳に貼っておきますね！
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ありがとう。
- Ｓ：体調は変わりなし。
- Ｏ：定期薬ＤＯ、受診間隔ズレなし
HbA1c６.８（目標７未満） - Ａ：継続服用指導、経過良好
- ＥＰ：目標HbA1cは７未満だと確認。検査値が目標値以内に入っていても飲み忘れなく服用を続ける必要があると説明。
- ＯＰ：コンプライアンス（受診間隔のズレ）の確認。
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４．まとめ
糖尿病の検査値HbA1cについて服薬指導するときにご活用ください！指導箋の使用はもちろん無料です。
参考文献：
糖尿病治療ガイド2018-2019(抜粋)：日本糖尿病学会HP
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