糖尿病のシックデイを服薬指導するための指導せん

こちらの指導せんは薬局薬剤師が文献等の情報を基に執筆・監修しています。

指導せん

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※指導せんは4枚セットです。印刷する場合、A4用紙が適切です。

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指導せんの説明

十分に水分補給をする

 発熱、下痢などによる脱水状態が続くと、血液が濃縮されるので血糖値が上がりやすくなる。全身の血液の流れが悪くなると、多臓器への悪影響が懸念されるので、シックデイ時は1L/日以上の水分を摂るように心がける。嘔吐や下痢があるときはOS-1など経口補水液の摂取が望ましい。尿量が少ない・色が濃いといった症状がある場合、脱水の可能性があるので特に注意する。

薬歴・服薬指導計画例1

P:シックデイ時は脱水状態にならないために1L/日以上の水分補給を心がけると説明。

N :水分は適切に摂れているか確認。

インスリンはやめない

 食事摂取ができない状態になると、体内では脂肪がエネルギー源として消費されるようになるため、肝臓でケトン体が作られ、その量が増えてくると血液が酸性になる。この状態を「ケトアシドーシス」と呼び、初期症状として吐き気や腹痛が現れ、意識障害や昏睡になる恐れがある。そのため、インスリン治療中の患者は、インスリンを半量でも打つ必要がある。血糖値が測れる場合、血糖値の程度によって単位数を決めた方が良い。

薬歴・服薬指導計画例2

P:発熱、嘔吐などで食事が摂れない時でもインスリンはやめないと説明。

N :シックデイ対応の理解度。

食欲不振時は内服薬を中止or減量

 食事が十分に摂れなくても絶食は避けるべきである。ゼリー状で食べやすいもの、消化の良いものなど、口あたりが良いものを食べると良い。固形物が摂取できない場合、糖質の入ったジュースを飲んでも良い。いずれにしても食事量が十分に摂れない時は、内服薬を中止する。SU薬など重症低血糖になりやすい薬は特に注意する。

薬歴・服薬指導計画例3

P:発熱、嘔吐などで食事が摂れない場合、糖尿病治療薬の服用は控えると説明。

N :シックデイの有無。

参考文献

緊急時の対応 シックデイ(sick Day) 糖尿病ー診断から自己管理までー:日本内科学会雑誌2000年より引用

追記情報

特になし

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