「ステロイドと保湿剤どっちを先に塗るの」
医師の指導内容と薬剤師の服薬指導のすれ違いが最も起こりやすい皮膚科の処方せん。
「ステロイドの塗り方はリアクティブかな」
「2種類の軟膏の使い方が分からない」
最も処方頻度の多いステロイド外用薬の塗り方だけでも、さまざまな塗り方があります。皮膚科の門前で修行を積んだHAMAYOが達人の服薬指導術をご紹介しましょう。

1.ステロイド外用薬の塗り方の違い
あなたはステロイドの塗り方をどのように服薬指導していますか?医師の指導内容とのすれ違いが起こりやすいポイントをまとめてみました。
1-1.ステロイドと保湿剤を塗る順番
多くの薬学専門本では、患部以外にステロイドを広げないためにステロイドの後塗りを推奨しています。実際には、6:4程度で後塗りが多い印象ですが、先塗りも意外と多い。
どちらなのか聞いて、特に指示がない場合は一般的な「後塗り」で服薬指導するといいでしょう。
ステロイド外用薬の塗り方をおさらい
詳しい解説はコチラへ
1-2.ステロイドのやめどき
再燃を繰り返す場合は、湿疹消失後も塗布をつづけるプロアクティブ療法が推奨されています。実際は、湿疹が治ったらやめるリアクティブ療法が圧倒的に多い印象です。
どちらなのか聞いて、特に指示がない場合はリアクティブ療法で服薬指導するといいでしょう。
プロアクティブ療法について
詳しい解説はコチラへ
1-3.ステロイドを塗る回数
ベリーストロング以上のステロイドでは1日何回塗っても効果にかわりはなく、1日1回の塗布で十分と言われています。実際は、1日1〜2回で処方されることが多い印象です。
ひどい時は1日2回朝入浴後、改善してきたら1日1回入浴後で服薬指導するといいでしょう。
覚えにくい皮膚科の一般名処方
コチラの記事がおすすめ!
2.皮膚科の服薬指導のコツ
病院により軟膏の塗り方・順番などに違いがあるのは分かりましたね。様々なケースについて事例を交えながら服薬指導術をご紹介します。
2-1.初めて受付する皮膚科の処方箋
薬剤師の思い込みで服薬指導をしていくと医師の指導内容とのミスマッチが起こりやすく、患者が混乱する原因になってしまいます。
医師の指導内容を確認しながら、特に指示がない場合は一般的な塗り方で服薬指導するといいでしょう。
アンテベート軟膏 5g
1日2回塗布(下肢)
ヒルドイドソフト軟膏 25g
1日2回塗布(保湿)
話法例







塗り方を細かく確認していくと尋問のような服薬指導になりかねません。理解度を確認しながら細部まで詰めていくといいでしょう。
2-2.よく受付している皮膚科の処方箋
予め把握している塗り方を前提に服薬指導していきます。最後に医師の指導内容と相違がないか確認すると良い。
薬剤師が情報共有できるように、病院に応じて特色をまとめた皮膚科処方共有ノートを作っておくといいでしょう。
ドレニゾンテープ 2枚
1日1回貼付(ひび割れ)
ヒルドイドソフト軟膏 25g
1日2回塗布(保湿)
話法例




ドレニゾンテープの貼付時間は、病院によって12時間か24時間で違うので注意する。把握した情報を先出しして確認を促すと患者も話をしっかり聞いてくれる。
2-3.塗布方法・部位が不明な場合
患者が医師からの指導内容を把握しておらず、処方箋にも記載がないときは疑義照会が必要になります。
一般論で服薬指導できる内容であればいいですが、不明点があれば積極的に聞くべきです。
アンテベート軟膏 5g
1日1〜2回塗布(下肢)
アズノール軟膏 20g
1日2回塗布(下肢)
話法例




疑義照会して塗布方法を聞く


塗り方だけで疑義照会と思うかもしれませんが、あなたが想像もしていないような塗り方を言われることは多々あります。
3.まとめ
たかが軟膏1本の服薬指導、されど軟膏1本の服薬指導、そこに薬剤師としてのエッセンスを付け加えよう!