「この人はどんな病気なのだろう」
処方せんから何の病名か判断がつかず、服薬指導に悩むことありますよね!
薬剤師としては、患者の病名を把握して、お薬の正しい使い方・生活習慣のアドバイスをしたいところです。
処方せんから病名を推測できないとき・・
病名を推測して「当てにいく派」と「聞く派」の2つに分かれるのではないでしょうか。
1.服薬指導の始め方
「当てにいく派」と「聞く派」では、それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのか考えてみました。
1-1.当てにいく派
当たれば患者さんの印象は一気に良くなる、服薬指導もスムーズに進むというメリットがあります。
逆に外したときのギクシャク感、その後「聞く派」になってしまうというデメリットはあります。
1-2.聞く派
患者に話してもらうので、確実に病名・病状が分かる、間違いなくお薬の説明ができるというメリットがあります。
薬局で同じ話をするのは面倒、病状を話したくないという患者もいるので、聞けないまま終わるというデメリットはあります。
処方せんから病名を推測する方法をご紹介しましょう。
2.病名を推測する手がかり
処方せんから病名を推測するには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。
内科の処方せんです。
どんな病名だと推測しますか?
レボフロキサシン錠500mg 1錠
朝食後 7日
背景:夏・併用薬なし・女性
2-1.処方せん情報から考える
病名を推測するには、診療科・性別・併用薬・処方日数などの処方せんや薬歴から読み取れる情報はとても重要です。
さらに、患者の顔色・表情・態度などの患者から読み取れる視覚情報も役立ちます。
2-2.医師の処方パターンから考える
病院の採用薬・医師によって、病名ごとに処方パターンがある場合があります。いつも受付している病院の処方せんは、経験的に病名を推測しやすいのではないでしょうか。
いつの日かAIが病名を推測して、最適な服薬指導案を掲示してくれるレセコンがでてくるといいですね。
3.服薬指導の新しい始めかた
最後に、患者の病名を聞き出すために考えたいろいろな話法をご紹介します。あなたも明日から使ってみてはいかがでしょうか?
3-1.二者択一話法
抗アレルギー薬が処方されたとき、皮膚炎か鼻炎のどちらかで悩みますよね。こんな時におすすめしたい病名の聞き方が「二者択一話法」です。
選択肢を与えることで患者も答えやすい、確実に病名を当てることができます。耳鼻科処方の耳か鼻か、などいろいろ応用できそうですね。
会話例
3-2.ギブアンドテイク話法
コミュニケーションはギブから始めるのが基本です。お薬の説明・注意点など服薬指導してから、「聞く派」にまわって病名を聞いてみよう。
いきなり病名を聞くよりも、会話を少ししてから聞けば、患者は答えやすくなるのではないでしょうか。
会話例
ところで、今日はどのような病名で聞いていますか?
3-3.リストアップ話法
婦人科の薬など、男性薬剤師だと聞きづらいことありますよね。そんなときは、病名を書いたリスト用紙を作っておくといいでしょう。
声に出さず、指をさしてもらうことで恥ずかしがりな患者さんも答えやすくなるのではないでしょうか。
会話例
生理不順です。
4.まとめ
病名を聞いただけで終わらず、ワンポイントアドバイスを必ずするようにしよう!
患者が病名を言った意味があったと思ってもらえるくらい情報提供をすることが大切です。