薬剤耐性(AMR)の問題から2018年度診療報酬改定より新設された点数です。算定できるのは病院だけですが、薬局でも薬剤服用歴管理指導料を算定するときは抗菌薬の適正使用の普及啓発に努める必要があります。
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1.抗生物質(抗菌薬)の薬剤耐性(AMR)について
指導せんをお渡しするときに役立つ服薬指導のポイントです。薬歴・次回の服薬指導計画に使える参考文言もご紹介します。
- 十分に休息をとり、体を休める
- まわりに感染しないよう気をつける
- 3日経っても改善なければ再受診
ほとんどの風邪で現因となるウイルスをやっつける薬はありません。症状をやわらげる薬で体調が良くなっても、ムリはせず、十分に睡眠時間をとって体を休める必要があります。
EP:現時点では抗生物質の服用は必要なく、しばらくは対症療法で十分に休息をとる必要があると説明。
OP:風邪:薬の効果を確認する。
鼻水・咳・くしゃみにはウイルスが含まれており、家庭や仕事場で感染させるおそれがあります。また、院内・薬局内感染を防ぐためにマスクを渡すといいでしょう。
知っていましたか?
くしゃみを手で覆うのはマナー違反です!手についたウイルスがドアノブから感染するおそれがあります。腕の内側で覆うように生活指導する。
EP:現時点では抗生物質の服用は必要ないが、家庭・職場で感染を拡大させないために咳エチケットを心がけると説明。
OP:基本情報(副作用・アレルギー歴)を確認する。
通常、風邪のピークは2〜3日で、あとは1週間くらいかけて治っていきます。薬を服用しても全く良くならない場合、だんだん悪化していく場合は違う病気が考えられます。
一度良くなったあと、またすぐに症状が再燃する場合は細菌感染のおそれもあるため再受診すると良い。
EP:薬を服用しても症状がまったく良くならない場合・だんだん悪化していく場合は3日を目安に再受診すると説明。
OP:再受診あれば、抗生物質の投与有無を確認する。
2.こんな患者さんにおすすめ
風邪・下痢などで、抗生物質の処方がない患者さんにお渡ししたい指導せんです。ただし、すべての患者が対象とはならないので注意する。
「抗微生物適正使用の手引き 第一版」では、基礎疾患がない成人・学童期以上の小児を対象としています。つまり、6歳未満で乳幼児服薬指導加算の対象年齢は除きます。
2-1.対象患者例
- 風邪の治療
- 下痢の治療
2-2.対象薬剤例
風邪処方全般
- 鎮咳薬
(薬剤例:メジコンなど) - 気管支拡張薬
(薬剤例:メプチンなど) - 去痰薬
(薬剤例:ムコダインなど) - 抗炎症薬
(薬剤例:トランサミンなど) - 解熱鎮痛薬
(薬剤例:カロナールなど) - 抗アレルギー薬
(薬剤例:アレグラなど) - 漢方
(薬剤例:葛根湯など) - その他
(薬剤例:トローチなど)
整腸剤全般
- 整腸剤
(薬剤例:ビオフェルミンなど) - 止瀉薬
(薬剤例:ヘェロベリンなど)
3.達人の服薬指導術
薬わかるが提案する服薬指導例です。
抗菌薬の薬剤耐性(AMR)について説明するときの患者向けに考えてみました。
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- S:風邪で、咳・痰・鼻水が出る。
- O:初回、基本情報:特質なし
- A:抗生物質の薬剤耐性について
- EP:現時点では抗生物質の服用は必要なく、しばらくは対症療法で十分に休息をとる必要があると説明。
- OP:風邪:薬の効果を確認する。
達人の服薬指導ポイント
風邪かなと思っても、実は違う病気だったことって薬剤師あるあるですよね。あなたは病名を当てにいく派ですか?それとも聞く派ですか?
4.まとめ
抗菌薬の薬剤耐性(AMR)について服薬指導するときにご活用ください!指導箋の使用はもちろん無料です。
参考文献:
抗微生物薬適正使用の手引き 第一版:厚生労働省健康局結核感染症課
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