「病気を治す服薬指導」は言葉で患者を行動させる必要があります。人にはそれぞれ受け入れやすい言葉と受け入れにくい言葉があるのをご存知でしょうか?
人が受け入れやすい言葉を「影響言語」といいます。この言葉を知らずに服薬指導は語れません!
1.影響言語の違い
人には無意識下の言葉フィルターがあり、それは個人ごとに違います。同じ言葉でも響く人と響かない人がいるのは「影響言語」が違うからです。
あなたに質問です‼︎
どちらの言葉でやる気を出しますか?
服薬指導の技術を上げて、薬剤師としての価値を高めるために勉強しよう!
服薬指導の技術を上げないと、今後は薬剤師として生きていけないから勉強しよう!
1-1.目的志向タイプ
影響言語Aでやる気を出すあなたは「目的志向タイプ」です。目的を達成するために意欲的になるあなたは、達成する・獲得するといった言葉のほうが影響を受けやすい。
1-2.問題回避タイプ
影響言語Bでやる気を出すあなたは「問題回避タイプです。問題を回避することに意欲的になるあなたは、回避する・防止するといった言葉のほうが影響を受けやすい。
2.影響言語を探る
あなたが服薬指導をする患者が「目的志向タイプ」なのか、「問題回避タイプ」なのか探る必要がある。どちらかによって使う言葉がまったく違ってきます。
こんな患者さんがいたら
あなたはどう答えますか?
たいていの薬剤師は
このように答えます!
血圧が高いままだと、健康な人よりも脳卒中や心筋梗塞になるリスクが高いです。このような合併症にならないために降圧薬はしっかり飲みましょう!
2-1.影響言語を間違う意味
患者が「目的志向タイプ」であれば、薬剤師がリスク回避のための薬を飲む必要性を熱く語っても心には響きません。
影響言語を間違えれば、あなたの服薬指導で患者を行動させることは不可能といっていいでしょう!
3.タイプ判別方法
あなたが服薬指導をする患者がどちらのタイプなのか判別しなければいけない。ではどのように判別したらいいのか?患者が発する言葉から分かります。
質問してみよう‼︎
「〜を改善するため」などポジティブな言葉で回答する傾向にあります。「病気を改善する」「薬を減らす」といったキーワードに敏感に反応しやすい。
「〜を避けるため」などネガティヴな言葉で回答する傾向にあります。「副作用がある」というキーワードに敏感に反応しやすい。
3-1.タイプは変わる!
仕事では目的志向タイプだけど、病気には問題回避タイプといったケースもあります。病気の治療過程においても急性期・安定期でタイプが変わることもある。
患者さんの言葉の変化に気をつけましょう!特に薬が変わるときは要注意です。
4.服薬指導での使い方
タイプが予想できたら患者に応じた「影響言語」を使ってみましょう。最初は見誤ることもあると思いますが、そのうち感覚で分かってきます。
例えば、高血圧の患者に食事・運動療法の動機づけをする言葉を考えてみましょう。
- 薬を減らす・やめるために
- 血圧を130まで下げるために
- 医療費を減らすために
- これ以上薬を増やさないために
- 脳卒中にならないために
- 医療費を増やさないために
5.まとめ
ありきたりな服薬指導にはもううんざり!あなたも影響言語を使って服薬指導をしてみませんか?
薬の飲み忘れが多く、家庭血圧も測っていない高血圧の患者さんがいます。ある時、なんで降圧薬を飲まないといけないのか質問がありました。