第7回:調剤薬剤師のための処方鑑査テスト!査定されるポイント解説付

「薬わかるからの挑戦状:第7回」

前回処方からの変更点
・エフピーOD錠2.5 ⇒ アジレクト錠1mgへ

基本情報
・アレルギー:特になし
・日常動作 :特になし
・嗜好品  :特になし
・妊娠・授乳:ー

疾患・薬剤情報
・既往歴 :特になし
・副作用歴:特になし
・併用薬 :特になし

前回の薬歴・次回服薬指導計画

S:体調はまずまず、新しい薬がでたとか言っていた
O:定期薬DO、眠気(-)
A:継続服用指導
P:引き続き飲み忘れなく継続するよう指導
N:エフピーの継続可否?

制限時間は60秒です。
このまま投薬「するか」「しないか」を判断してください。
投薬しない場合、どの医薬品の添付文書を確認するかまで分かれば正解!
具体的な不備内容が分かった場合は大正解とします!

皆さま、60秒以内に答えは分かりましたか?
今回は実際にHAMAYOが経験したプレアボイド事例です。

現場の感覚として処方鑑査に当てられる時間は数秒から数十秒程度です。
薬剤師にとって「知っているか・知らないか」は非常にシビアな問題になります。

薬剤師
HAMAYO
そのまま投薬した場合、健康被害が起こるおそれが高いです。

ここから先は答えです!
まずは大画面で60秒間考えてみよう



1.模擬処方箋の鑑査トレーニング

現役薬剤師HAMAYOが解説します。

1-1.答え

聞き取り状況に応じて、疑義照会の必要があります。

1-2.疑義照会の理由

アジレクトの添付文書に下記の記載があり、
エフピー服薬終了から14日間休薬する必要があるため。
何も知らずに服用した場合、健康被害が起こるおそれが高い。

患者が休薬期間について理解していれば、このまま投薬しても良い。
ただし、高い薬なので残薬状況によっては調節するのがベスト。

併用禁忌:MAO阻害薬エフピー:高血圧クリーゼ等の重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。

添付文書:アジレクト錠

1-3.医師への提案例

エフピーからアジレクトに切り替える場合、
14日間の休薬期間をとる必要があります。

残薬状況からエフピーの残薬は数日しかないため、
アジレクトは16日分の処方で足りると思われます。

2.処方せんの鑑査ポイント

エフピーからの切り替えでアジレクトが処方された時、
休薬期間の説明がされているか必ず確認する。
できればアジレクトの服用開始日を確認しておきましょう。

処方せんを見たときに、他の処方に比べて、
アジレクトの処方日数が14日分少なければ、まず問題ありません。
他にも休薬期間が必要な薬があるので必ず添付文書を確認しましょう。

同様に注意が必要な薬

MAO阻害剤
・エフピー
・アジレクト
・エクフィナ

2-1.補足

この処方せんのモサプリドと六君子湯の処方意図はご存知ですか?
下記の文献を参考にすると、服薬指導の質が上がります。

パーキンソン病で合併しやすい上部消化管の運動機能低下により、
ドパミンの吸収遅延が起こるのを防ぐ目的で処方されています。

2-2.薬局勉強会用のPDF配布

今回の処方鑑査テストを薬局内でも情報共有するため、
鑑査テストのPDFファイルをダウンロードしましょう。
薬剤師にとって知識は武器となり患者を守る唯一の手段となります。

ぜひ勉強会の時にご活用ください!
薬局内の薬剤師のレベルを上げましょう!!

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2016.09.12
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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!