「薬わかるからの挑戦状:第3回」
・イルトラ配合錠HD(新規)
基本情報
・アレルギー:サバ
・日常動作 :特になし
・嗜好品 :タバコ
・妊娠・授乳:ー
疾患・薬剤情報
・既往歴 :特になし
・副作用歴:レボフロキサシン:薬疹
・併用薬 :タプロス点眼液0.0015%
(急性閉塞隅角緑内障ではない)
前回の薬歴・次回服薬指導計画
S:体調はいつもどおり、特に変わったことはない
O:定期薬DO、BP140-90程度
A:継続服用指導
P:引き続き飲み忘れなく継続するよう指導
N:塩分摂取は問題ないか?
このまま投薬「するか」「しないか」を判断してください。
投薬しない場合、どの医薬品の添付文書を確認するかまで分かれば正解!
具体的な不備内容が分かった場合は大正解とします!
皆さま、60秒以内に答えは分かりましたか?
今回は実際にHAMAYOが経験したプレアボイド事例です。
現場の感覚として処方鑑査に当てられる時間は数秒から数十秒程度です。
薬剤師にとって「知っているか・知らないか」は非常にシビアな問題になります。
ここから先は答えです!
まずは大画面で60秒間考えてみよう
1.模擬処方箋の鑑査トレーニング
現役薬剤師HAMAYOが解説します。
1-1.答え
疑義照会の必要があります。
・アイミクス配合錠HD
イルベサルタン:100mg
アムロジピン:5mg
・イルトラ配合錠HD
イルベサルタン:200mg
トリクロルメチアジド1mg
1-2.疑義照会の理由
アイミクス配合錠HDに含まれるイルベサルタン100mgと
イルトラ配合錠HDに含まれる同成分200mgを合わせると
イルベサルタンとしての上限200mgを超えるためです。
6.用法・用量:通常、成人にはイルベサルタンとして50~100mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は200mgまでとする。
添付文書:イルベタン錠
1-3.医師への提案例
イルベサルタンの成分量が添付文書記載の上限量200mgを超えています。
イルトラを処方するのであれば、HDからLDへ変更する必要があります。
・アイミクス配合錠HD
イルベサルタン:100mg
アムロジピン:5mg
・イルトラ配合錠LD
イルベサルタン:100mg
トリクロルメチアジド1mg
2.処方せんの鑑査ポイント
降圧薬の配合剤は数多くあり、成分がかぶる場合や同一薬効で重複する場合があります。
思い込みで間違える場合もあるので、なるべく添付文書を確認しましょう。
ARB
・アジルサルタン:40mgまで
・イルベサルタン:200mgまで
・オルメサルタン:40mgまで
・カンデサルタン:8・12mg(特例あり)
・テルミサルタン:40・80mg(特例あり)
・バルサルタン:40・160mg(特例あり)
・ロサルタン:100mgまで
Ca拮抗薬
・アゼルニジピン:16mgまで
・アムロジピン:5・10mg(特例あり)
・シルニジピン:20mgまで
「(特例あり)は適応・肝腎障害等により異なる」
2-1.高血圧のおすすめ指導せん
2-2.薬局勉強会用のPDF配布
今回の処方鑑査テストを薬局内でも情報共有するため、
鑑査テストのPDFファイルをダウンロードしましょう。
薬剤師にとって知識は武器となり患者を守る唯一の手段となります。
ぜひ勉強会の時にご活用ください!
薬局内の薬剤師のレベルを上げましょう!!
さらに薬学を極めたいあなたへ
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3.次の処方せん鑑査練習へ
実際のプレアボイド事例より現役薬剤師が作成!
次回は、処方せんだけの情報では分からないので、基礎情報・併用薬をよく確認しよう。
実践的な体験をあなたへお届けしたい
点数が減点されるなど、レセプト査定されるおそれがあります。