平成30年度調剤報酬改定より、薬歴に「次回の服薬指導計画:OP」の記載が義務づけされます。
「何を書いたらいいのか分からない」
「継続管理ってどういう薬歴になるの」
そんな悩める薬剤師の疑問に現役薬剤師HAMAYOがお答えします。厚生労働省も驚く最高の薬歴に仕上げましょう!
1.次回の服薬指導計画OPとは
一般的なSOAP薬歴では、次回の申し送り事項としてOPが使われています。電子薬歴によっては、CやNと表記されている場合もあります。
1-1.薬歴OPの記載が義務化
今までも個別指導で継続性のある薬歴管理を指摘されることはありましたが、平成30年度調剤報酬改定より記載が義務化されました。今後、記載のない薬歴は返還対象になるかもしれません。
1-2.連続性のある薬歴へ
OPを適当に埋めるだけの薬歴では意味がありません。服薬指導計画に基づいた連続性のある薬歴管理がより厳しく求められます。
でもDO処方や急性疾患の場合ってどうしたらいいのだろう・・
2.次回服薬指導計画に必要な3つの要素
次に服薬指導をする薬剤師のことを考えた申し送りにしましょう!どんなコトを書いたらいいのか考えてみたので参考にしてください。
2-1.クローズドクエスションがおすすめ
「体調変化・副作用の確認」など、オープン過ぎる記載では、次の薬剤師が何を聞いたらいいのか困惑してしまいます。なるべくクローズした記載が好まれるでしょう。
薬剤名・疾患名などを書いて、具体的に何をするのか記載する。さらに分かりやすく話し言葉で書いてもOK!
- オロパタジン:副作用(ねむけ)の確認
- オロパタジン服用後、眠気はどうでしたか?
2-2.薬歴Oに結果の記載
前回の服薬指導計画の結果を薬歴Oに記載する。代理の人がお薬を取りに来て、聞き取りができなかった場合は、次回に申し送りをまわしてください。
- 前回OP結果:眠気(ー)
- 前回OP聞き取りできず、次回へ引継ぎ
2-3.急性疾患のときの対応方法
ひさしぶりに来局した患者に「前回の薬で眠気はでましたか」と聞いても、患者は戸惑ってしまいます。風邪など、単発で終わりそうな急性疾患の場合は、基本情報の確認や前置きのコメントが好まれます。
- 副作用歴・アレルギー歴の再確認
- 継続処方あれば、〇〇の確認
3.薬歴OP・Cの事例まとめ
主に慢性疾患で長期来局されている患者に向けて、次回の服薬指導計画の活用例をご紹介します。
3-1.効果・検査値の確認
薬はしっかり効いているのか、検査値はどうなのかなど、薬の効果を確認しましょう。効果もないのに漫然と使用しているなら、場合によって疑義照会が必要です。
症状・疾患名などを具体的に書くと、次の薬剤師が服薬指導しやすくなります。さらに前回の検査値などを一緒に書くといいでしょう。
- 痰のからむ咳:改善傾向にあるか確認
- 高血圧:150から低下したか確認
3-2.副作用・アレルギーの確認
発現率1%以上のよく起こる副作用を中心に聞き取りしていきます。毎回、副作用の話ばかりしていると患者は不安を感じてしまうので要注意!
ニッチな副作用マニアにならないように気をつけましょう。薬剤名を書いて、何の副作用について確認するのか具体的に書いておく。
- アダパレンゲル:ヒリヒリ感の確認
- セルトラリン:胃部不快感の確認
副作用の伝え方・聞き方のコツ!
コチラの記事を参考にしてください
3-3.飲み忘れ・残薬の確認
ただ単に残薬を確認するのではなく、ターゲットを絞って確認することで、残薬を発見しやすくなります。重複加算の算定に向けて次の薬剤師にバトンタッチしましょう!
残薬が起こりやすいところは必ずあります。なるべく薬剤名を書いて、飲み忘れ・残薬の確認をするように書いておく。
- 酸化マグネシウム:残薬の確認
- 昼食後分:飲み忘れ頻度
重複加算をドンドン算定していこう!
効率的に残薬を見つける裏ワザ
3-4.生活スタイルの確認
慢性疾患の多くは生活習慣の改善が、病気の改善につながります。アルコール・たばこに限らず、食事の時間・運動の有無など、病気と関連があるものを書いておく。
患者との信頼関係によっては聞けないケースもあるので、無理難題はやめておきましょう。
- 食事:朝食の有無・回数の確認
- タバコ:禁煙意欲の確認
3-5.基本情報の確認
何も書くことがない時は、他科受診・併用薬の有無など、基本的な情報の確認をします。摂取しているサプリメント・日常よく使う市販薬をたまに確認しておくと良いでしょう。
全部は難しいので、どれか一つ選んでおくと良い。項目を絞った方が、次の薬剤師はやりやすくなります。
- 他科受診・併用薬の有無の確認
- 日常よく使う市販薬があるか確認
4.連続性のある薬歴を書くコツ
次回の服薬指導計画は書くことよりも、いかに次回につなげるかが重要です。次に服薬指導をする薬剤師にやさしくバトンタッチしよう!
4-1.かかりつけ薬剤師に繋げよう
服薬指導の内容がややこしい場合、次回も自分がいったほうが良いと思うことは多い。OP内容の後に自分の名前を入れることで、かかりつけ薬剤師に繋げていくのもアリ!
いろいろな薬剤師が絡むよりも、あなたが責任を持って、その患者を見たほうが服薬指導の流れは作りやすくなります。
- 運動:前回、週2回から回数・量は増えているか(HAMAYO)
4-2.黄金ループを作ろう
連続性のある服薬指導が求められるのは、主に慢性疾患で長期間、来局している患者さんです。高血圧・糖尿病などの疾患別で、年間の服薬指導計画を薬局の中で共有するのも良いでしょう。
季節に応じた服薬指導、薬わかるの指導せんもぜひご活用ください。これからも増やしていきます!
4-3.服薬指導の流れを考えよう
これから激化していく対人業務に備えるため、服薬指導のスキルは今以上に求められてきます。情報をインプットするだけでなく、上手くアウトプットするために服薬指導のシナリオを考えておく。
5.まとめ
次回の服薬指導計画を書いて、次の薬剤師にやさしく、時にはハードにバトンタッチをしていこう!そして、最高の流れを作りましょう。
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