第6回:調剤薬剤師のための処方鑑査テスト!査定されるポイント解説付

「薬わかるからの挑戦状:第6回」

前回処方からの変更点
新規患者

基本情報
・アレルギー:花粉症
・日常動作 :特になし
・嗜好品  :アルコール
・妊娠・授乳:ー

疾患・薬剤情報
・既往歴 :特になし
・副作用歴:特になし
・併用薬 :アジルバ錠20mg
      ジャヌビア錠50mg
      ロスバスタチン錠2.5mg

前回の薬歴・次回服薬指導計画
新規患者のためなし

制限時間は60秒です。
このまま投薬「するか」「しないか」を判断してください。
投薬しない場合、どの医薬品の添付文書を確認するかまで分かれば正解!
具体的な不備内容が分かった場合は大正解とします!

皆さま、60秒以内に答えは分かりましたか?
今回は実際にHAMAYOが経験したプレアボイド事例です。

現場の感覚として処方鑑査に当てられる時間は数秒から数十秒程度です。
薬剤師にとって「知っているか・知らないか」は非常にシビアな問題になります。

薬剤師
HAMAYO
そのまま投薬した場合、健康被害が起こらなくても、
点数が減点されるなど、レセプト査定されるおそれがあります。

ここから先は答えです!
まずは大画面で60秒間考えてみよう



1.模擬処方箋の鑑査トレーニング

現役薬剤師HAMAYOが解説します。

1-1.答え

疑義照会の必要があります。

1-2.疑義照会の理由

ロコアテープの添付文書に下記の記載があるため、
ロコアとNsaidsの定時処方は併用できない
このまま処方した場合、査定される可能性が非常に高いです。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉本剤2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は2枚を超えないこと。本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。

添付文書:ロコアテープ

1-3.医師への提案例

ロコアテープとNsaidsの定時処方は査定されると、製薬会社より聞いています。
同時処方するのであれば、Nsaidsの変更が必要です。

今回の場合、セレコックスの定時処方から頓服処方に切り替えるか、
アセトアミノフェン・トラムセットなどの定時処方であれば問題ないとされています。

2.処方せんの鑑査ポイント

ロコアテープが処方された時、Nsaidsの定時処方がないか確認する。
頓服またはNsaids以外の鎮痛剤の定時処方であれば問題ありません。

他のNsaids外用薬との併用は大丈夫です。
例として、ロコア2枚とモーラス2枚の併用は問題ありません。

Nsaidsの例

・ボルタレン・ロキソニン
・ブルフェン・ロルカム
・セレコックス・ハイペン
・ナイキサン・クリノリル
・モービック・フルカム など

併用可能な鎮痛剤の例

アセトアミノフェン
・カロナール・コカール

非麻薬性合成オピオイド
・ワントラム・トラマール
・トラムセット・ノルスパン

2-1.薬局勉強会用のPDF配布

今回の処方鑑査テストを薬局内でも情報共有するため、
鑑査テストのPDFファイルをダウンロードしましょう。
薬剤師にとって知識は武器となり患者を守る唯一の手段となります。

ぜひ勉強会の時にご活用ください!
薬局内の薬剤師のレベルを上げましょう!!

さらに薬学を極めたいあなたへ
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薬わかるがおすすめしたい最高の薬学雑誌4選

2016.09.12
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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!