高血圧でずっとDO処方の患者が来局されました。
毎回、薬の確認だけで服薬指導が終わってしまう。
お大事に!
何か聞くことといえば・・
副作用・飲み忘れの有無・併用薬くらい。
「どんな服薬指導をしようか」
「何も話すことがない」
そんな話のネタがなくて困っている薬剤師を救う方法!
その答えは「雑談力」にあります。
1.雑談から始まる服薬指導
私は今まで、100人以上の薬剤師の服薬指導を聞いてきました。
そして、服薬指導がウマいと感じた薬剤師はみんなあるコトをしていました。
それが「雑談」です!
1-1.会話のきっかけ作り
なぜこの薬剤師はこんなにもウマく患者の悩みを聞き出すのか。
それは、患者との信頼関係の構築が先決だと知っているからです。
まずは雑談をしながらコミュニケーションをとっていく。
会話をしていれば、少しずつ信頼関係は築けていけます。
1-2.薬ではなく、人を見る
雑談をしていれば、自然にその人の生活や人間性が分かってきます。
同じ薬が出ている人でも、生活は人それぞれ違う。
薬から入る服薬指導ではなく、人から入る服薬指導をしよう。
服薬指導の幅はグッと広がります。
2.雑談のルール
いきなり雑談をしろと言われても難しい!
実は、雑談には3つのルールがあります。
- 否定しない
- オチはいらない
- いつやめてもいい
楽しい会話をしているのに、価値観や考えを否定されるとイヤな気持ちになります。
アレッと思うことがあっても・・
「そのようにお考えなんですね」
くらいでその場でいきなり否定しないようにしよう。
基本的にオチがなくても問題なし!
言葉のキャッチボールをすることが大切です。
雑談と言われても、できない薬剤師が多いので、薬・疾患に繋げれるネタをいくつか持っておくといい。
雑談は、どうでもいいお話です。
話が長くなりそうなら、強制的に切り上げても大丈夫!
さりげなく・・
「ところで、本題のお薬のことなんですけど・・」
と話を切り上げてください。
3.シナリオを考えた雑談
たまには薬・疾患につながるようにロジックを組んだ内容の雑談をしてみても面白い。
得する情報やあるあるネタを雑談に取り入れてみよう。
3-1.季節を意識してみる
花粉症・熱中症・しもやけなど季節に応じたトレンドがある疾患は、たとえその処方が出ていなくても積極的に聞いてみよう。
話法例
花粉がだいぶ飛んでいますが、◯◯さんは花粉症は大丈夫ですか?
今年は飛散量が前年の3倍とも言われていますので・・
ー 高血圧の場合 ー
市販の鼻炎薬や胃薬を飲むことはありますか?
胃薬には塩分の元であるナトリウムが入っているものがあります。
大丈夫なものもあるので、購入するときは薬剤師に聞いておくといいですよ。
ー アトピーの場合 ー
春にアトピー症状が悪化することはありませんか?
体内にアレルギー物質をいれないために、マスクはしたほうがいいですよ。
3-2.話題性を意識してみる
テレビ・雑誌で話題になっている商品を雑談のネタにしてみよう。
健康に関わるものなら、薬の専門家の意見を聞きたがっているはず。
最近話題になっていますが、主食を変えるだけで健康にとても良い習慣をつくる方法があります。
◯◯さんはパン派かゴハン派かどちらですか?
ー ゴハンの場合 ー
ー パンの場合 ー
4.達人の服薬指導術の心得
薬・疾患の話は脇においといて、天気など雑談から服薬指導を始めてみよう!
患者さんも話しやすい空気になります。
いきなり本題に入るよりも、アイスブレイクして話しやすい空気をつくる。
達人の服薬指導術の大切な心得です。
4-1.雑談のポイント・コツ
最後にHAMAYOが服薬指導で考える雑談のコツを伝授します。
- 話題は2つまで
- 結論から先に言う
- 自分の感情を伝える
- 軽い失敗談を話す
1つの話題は30秒から1分で切り上げる。
コロコロ話を変えずに、話を深掘りしていく質問を心がける。
もったいぶっていると飽きられます。
オチがあるときは先に言う、興味がありそうなら深掘りしていくスタンスで!
テレビ・雑誌などで知った情報をそのまま伝えるのはニュースを見ているのと一緒。専門家としての意見を合わせて伝えるとあなたオリジナルの情報になります。
雑談で自慢話はNG!
ちょっとした失敗談があなたの好感度を上げるキッカケになります。
5.まとめ
雑談マスターになって、患者との信頼関係をもっともっと構築していこう!
体調はどうでしたか?