帯状疱疹の痛みから救え!抗ヘルペス薬の基本と気をつけること4つ

「皮膚がチクチク灼けるように痛い!」

夜も眠れないくらい痛い帯状疱疹について現役薬剤師のHAMAYOが語ります。

「お薬を飲んだのに、なかなか効かない」
「いつになったら治るのだろうか」

帯状疱疹を早く治すポイントは患部を刺激しない・冷やさないことです。ストレスは悪化要因になるので、しばらくは安静にしておきましょう!

HAMAYO
今回は、お薬の服用・日常生活で気をつけるポイントについてご紹介します。痛みを早く治しましょう!




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1.帯状疱疹とは

小さい頃にかかった水疱瘡の原因となるヘルペスウイルスは、死滅することなく神経の奥に潜んでいます。

過労・ストレス・加齢などにより免疫機能が低下したとき、ウイルスが活発化して帯状疱疹を発症させます。

1-1.特徴的な初期症状

初期症状としてチクチク・ピリピリする痛みから始まり、時間が経つにつれて皮疹を伴う灼けつくような痛みに変わります。人によっては、かゆみ程度で痛みを伴わないケースもあります。

上半身に好発し、赤いブツブツした皮疹が左右のどちらか一方に現れるのが特徴です。

1-2.帯状疱疹になりやすい人

免疫機能が落ちてくる60歳以降の高齢者に多い病気です。過労ぎみ・睡眠不足・手術などでストレスがある人など、体力が低下している人もかかりやすい。

1-3.気をつけたい合併症

帯状疱疹が顔にできた場合は、顔面麻痺・失明・難聴などを起こすことがあります。早めに専門医を受診しましょう。

生活習慣病の薬を飲んでいる人は、帯状疱疹が原因となり、脳卒中・心筋梗塞を引き起こすおそれもあります。

2.帯状疱疹の薬と治療法

皮疹は水ぶくれからかさぶたになり、痛みは次第に和らいでいきます。痛みがでてから治るまでに2〜3週間程度はかかるでしょう。

2-1.よく使われる帯状疱疹の薬

帯状疱疹に使われる抗ヘルペスウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えるだけで、殺す効果はありません。そのため、発症からなるべく早めに服用することが大切です。

皮疹出現から5日以内に服用を開始し、服用期間は7日間です。症状が良くなっても最後までしっかり飲み切りましょう。

抗ウイルス薬の例

  • バルトレックス:1日3回・1回2錠
    (成分名:バラシクロビル)
  • ファムビル:1日3回・1回2錠
    (成分名:ファムシクロビル)
  • アメナリーフ:1日1回・1回2錠
    (成分名:アメナメビル)

2-2.それぞれの薬の特徴

ヘルペスウイルスを抑える効果はほぼ同じです。どれも値段が高いのが難点でしょう。

アメナリーフは腎機能が低下している患者でも使えるので、服用のしやすさから今後増えていくと思われます。ただし、アメナリーフだけ食後服用・グレープフルーツジュースはダメという制限があります。

2-3.帯状疱疹後神経痛について

お薬の服用が遅れて、神経の損傷がひどくなってしまうと、帯状疱疹が治ってからも痛みがシクシク残ることがあります。

高齢者ほど起こりやすく、なかには1年以上苦しんでいる患者もいます。痛みがひどい場合は、専門のペインクリニックを紹介してもらうといいでしょう。




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3.日常生活での注意点

早く痛みを残さず治すには、早期のお薬の服用が大切です。日常生活で気をつけるポイントをご紹介します。

  1. 初回、なるべく早めに服用する
  2. 増え続けるウイルスを一刻も早く減らすため、お薬をもらったらすぐに飲みましょう。アメナリーフ以外は食事なしで飲んでもOK!

    アメナリーフは空腹時に飲むと効果が落ちるため、カロリーメイトなど軽食をとってから服用しましょう。

  3. 十分な睡眠・栄養をとり、安静にする
  4. 帯状疱疹は過労などによる免疫機能の低下が原因となって発症します。できれば、仕事は休んで痛みが落ち着くまでは安静にする

  5. 患部をいじらない・冷やさない
  6. 掻いたり、触りすぎると水ぶくれが破れて、悪化する恐れがあるためガーゼを当てて保護しておくといいでしょう。

    帯状疱疹は神経痛のため温めて血行を良くすることで、炎症物質などが流され、痛みが和らぐと言われています。

  7. 妊婦・幼児との接触は避ける
  8. 通常、成人に帯状疱疹としてうつることはありません。ただし、まだ水疱瘡にかかっていない妊婦・幼児が水疱瘡を発症する原因になるおそれがあります。

    肌が触れ合うような接触は避けて、お風呂は別々にする。水ぶくれがひどい間はシャワー浴くらいにしておきましょう。

4.記事の指導せん

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HAMAYO
薬剤師からのコメント
帯状疱疹と診断されたすべての患者さんにお渡ししたい指導せんです。

5.まとめ

帯状疱疹の痛みを残さないためには、早めの抗ヘルペス薬の服用が重要です。帯状疱疹かもと思う人は早めに皮膚科を受診しましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!