高血圧の患者は「上の血圧」ばかりを気にしますが、血圧は上下の差が重要です。いつも正常範囲に入っているけど上下の差が大きいという人、これは動脈硬化の前兆かもしれません。
1.血圧の差(脈圧)とは?
血圧の上下の差を脈圧と呼びます。この差が大きいとどのような問題があるのでしょうか?あなたの脈圧を計算してください。
脈圧=最高血圧ー最低血圧
正常値 : 30~45
異常値 : 60以上
※病院により数値の差があります。
1-1.上の血圧が高い
上の血圧は、最高血圧または収縮期血圧と呼ばれる。心臓が血液を送り出すときに血管にかかる圧を意味します。
高い場合は、血管に負担がかかっているので、脳出血や心不全のリスク要因になってしまう。
1-2.血圧の下が低い
下の血圧は、最低血圧または拡張期血圧と呼ばれる。心臓が血液を送り出す準備をしているときに血管にかかる圧を意味します。
低い場合は、血流が悪い状況なので 、狭心症や心筋梗塞のリスク要因になってしまう。
2.高い脈圧がもたらす病気
脈圧が高いと血液循環が悪くなるコトでいろいろな影響がでてきます。血液をサラサラにする薬を飲んでいる患者さんは、特に注意が必要です。
2-1.心筋梗塞・脳卒中
動脈硬化が進むと上の血圧が高くなり、下の血圧が低くなる傾向にあるため、上下の差が大きくなっていく。特に心臓の動脈硬化が進みやすくなるので、胸痛があれば必ず医師に相談すること。
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2-2.アルツハイマー
最近の研究で上下の差が大きい人は、アルツハイマー病にかかりやすいことも分かってきました。一概にこれだでは判断できませんが、血圧が正常値に入っているからといって油断は禁物です。
3.脈圧を下げる方法
脈圧を下げる方法をいくつかご紹介します。いきなり全部をするのは難しいので、出来るコトからやっていきましょう!
- 有酸素運動
- 塩分を控える(6g以下/日)
- DASH食
- 青魚・納豆を食事に増やす
かるめの運動を長く続けることが重要!ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど・・。 1日30分程度の運動を1週間に4回以上すると効果がでてきます。
通勤に歩く時間を取り入れる・筋トレなどの無酸素運動でもしないよりはまし。まずは、チャレンジしてみることが大切です。
日本人は1日に10gもの塩分をとっています。その最たるものがみなさんが大好きなラーメンです。 ラーメンには6gもの塩分が含まれています。
スープを飲み干すのはやめましょう。みそ汁は具多め、漬物は控える!これだけで驚くほど違ってきます。
もっと知りたい?
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アメリカで開発された食品の組み合わせによって血圧をコントロールする食事療法です。色の濃い野菜、果物、魚を食事に増やして脂身を控える。
カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、タンパク質を増やすことで血圧を下げる効果が期待できます。
青魚に多く含まれるDHA・EPAは血液をサラサラにして、血管に弾力性を持たせる効果があります。 納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素も血液をサラサラにすることで、血圧を下げることが分かってきました。 ただし、醤油やたれのかけすぎには要注意ですね。
※ワーファリンを飲んでいる人は納豆は食べれません。
4.記事の指導せん
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5.まとめ
今回は血圧の上下の差が何を意味するのかご紹介しました。脈圧が60以上あれば要注意です!
降圧薬を飲んでいる患者さんすべてにお渡ししたい指導せんです。朝だけでも血圧は必ず測りましょう!