手術前は薬だけでなくサプリメント・健康食品にも要注意!

抜歯、内視鏡、外科手術のため血液をサラサラにする薬を中止すると約1%の頻度で血栓塞栓症が起こる。厄介なことにほとんどのケースで重症化している現実があります。手術時に薬をやめるかやめないかは出血リスクと再発リスクを考慮した対応が求められる。今回は、手術前にやめる薬とどれくらいやめたらいいのかご紹介します。

注意!
医師の熟練度や患者背景により今回のケースが当てはまらないことがあります。薬をやめる判断は必ず医師の指示に従ってください。

1.抗凝固薬の休薬について

出血リスクが伴う処置といっても、抜歯、内視鏡、外科手術と程度によって様々なケースがあります。それぞれによって対応方法が異なってくるので注意が必要です。

1-1.抜歯のとき

抜歯は比較的、出血リスクが少ない処置といえます。歯科医学会では、抗凝固薬をやめないで治療を継続したまま抜歯することが推奨されています。ただし、ワーファリンPT-INRが3.0を超えるハイリスク患者では、抗凝固薬を中止します。歯科を受診するときは必ずお薬手帳直近の検査値を持っていきましょう!

1-2.内視鏡のとき

観察のみ、粘膜生検などの出血リスクが低い処置では、抗凝固薬をやめないで治療を継続したまますることが推奨されています。出血リスクが高い処置では、飲んでいる薬の数や種類によって対応がまちまちです。

1-3.外科手術のとき

白内障、体表の小手術では抗凝固薬をやめないで治療を継続したまますることが推奨されています。確実に出血を伴う大手術の場合は、必ず抗凝固薬をやめる必要がある。薬の効果時間によってやめるタイミングが違うため、いつからやめる必要があるのか必ず医師に確認しておきましょう!

2.代表的な休薬の目安

薬品名 一般名 休薬目安
エリキュース アピキサバン 1~2日間
エフィエント プラスグレル 14日間
バイアスピリン アスピリン 7~14日間
パナルジン チクロピジン 7~14日間
プレタール シロスタゾール 3~4日間
ワーファリン ワルファリン 3~7日間

※薬品名アイウエオ順

3.休薬は抗凝固薬だけではない

出血リスクが高い手術のときは、血液の循環をよくする薬もやめる必要がある。手術を受けるときは、いま飲んでいる薬だけでなくサプリメントや健康食品もすべて医師に伝えてほしい。そのためにもお薬手帳は毎回しっかりと薬局に持っていく必要がある。

3-1.EPA製剤

エパデール(イコサペント酸エチル)、ロトリガといった魚油から作られる薬には血液をサラサラにする効果がある。手術7~14日前からやめることが推奨されています。市販でもEPAやDHAとして様々なサプリメントや健康食品が売られています。これらも手術前はやめる必要があるので注意してください!

3-2.低用量ピル

手術後寝たきりの状態が続くと血栓ができるリスクが高くなるので、手術4週間前からやめる。月経困難や避妊のため薬を飲んでいる患者さんは覚えておきましょう!

3-3.骨粗鬆症の一部

閉経後骨粗鬆症に使われるエビスタ(ラロキシフェン)、ビビアントといった薬も血栓ができるリスクが高くなるので、手術3日前にはやめる

3-4.サプリメント・健康食品

にんにく、イチョウ葉、EPA、DHA、朝鮮人参を含むものも血液をサラサラにする作用があるので手術3日前にはやめておく。他にも血液サラサラを謳う健康食品はやめておいたほうがいいでしょう。

3-5.他にもたくさん

他にも、一部の抗がん剤など手術時の出血リスクに影響するおそれのある薬はたくさんあります。これなら大丈夫という考えはやめて、医師・薬剤師にいま飲んでいるものをすべて必ず伝えてください!

4.記事の指導せん

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syujutuinsatu

HAMAYO
薬剤師からのコメント
手術前にやめる可能性がある薬を飲んでいる患者さんにお渡ししたい指導せんです!

5.まとめ

手術に限らず抜歯や皮膚処置まで出血リスクが伴うときは、必ず医師にお薬手帳を見せて出血リスクがあることを伝えましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!