コレステロールが高くても自覚症状はまったくありません。さらに血圧のように簡単に測れないので、現状把握が出来ない!
そのためお薬を飲み始めても多くの患者さんが途中でやめてしまう。サイレントキラーはあなたが薬をやめるのを楽しみに待っています。
1.コレステロールとは
コレステロールには細胞組織をつくるレンガのような役割がある。役割の違いで悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)に分けられます。
1-1.悪玉コレステロール
通称LDLと呼ばれている。LDLには細胞組織を作るのに必要なレンガ(脂質)を運搬する役割があります。なぜ悪玉と呼ばれているのか?
レンガの量が過剰になると運搬できずに血管内に落としてしまう。これが血栓となり血管を詰まらせる原因となるので、悪玉よばわりされている。
基準値 : 60〜139mgdL
男性に比べて女性のほうが高めに設定されることがあります。
1-2.善玉コレステロール
通称HDLと呼ばれている。HDLには不要なレンガを取り除く役割があります。なぜ善玉と呼ばれているのか?
悪玉コレステロールが血管内に落とした血栓の原因となるレンガを回収してくれます。血管が詰まるのを防いでいるので、善玉と呼ばれている。
基準値 : 40〜85mgdL
男性に比べて女性のほうが高めに設定されることがあります。
2.なぜコレステロールを下げるのか
データを見れば一目瞭然です。悪玉コレステロール(LDL)が140を超えてから心筋梗塞のリスクが2倍に上がります。脳卒中や腎臓病になるリスクも上がってきます。
2-1.サイレントキラー
高血圧ほどのリスクはありませんが、高いまま放置すれば心筋梗塞で即死するリスクがあります。高血圧・糖尿病を合併している場合は、さらに10倍以上ぶっ殺されるリスクが上がってしまう。
高血圧のリスクはどれくらい?
2-2.アテローム硬化
過剰な悪玉コレステロールで怖いのは、細い動脈よりも太い動脈を詰まらせる「アテローム硬化」です。血栓ができるだけでなく血管を硬くモロくしてしまう。
しなやかさが失われた血管は、古くなったホースのように裂けてしまうコトもあります。裂ける部位によっては即死リスクもある。
3.まだ治療をしていない方へ
健康診断でコレステロールが高いと指摘されたけど、自覚症状がないからと放置していませんか?
肥満や食生活の乱れがないのにコレステロールが高い場合は、遺伝が考えられます。
3-1.家族性高コレステロール
LDLを取り除く受容体に遺伝子異常があり、瘦せ型なのにコレステロールが高いことがある。必ず薬を飲まないといけない訳ではないが、早期の治療がおすすめされます。
病院に行かずに検査する方法
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3-2.食事では下がらない
コレステロールが高いと言われると、肥満・脂っこい食事がイメージされますが違います。コレステロールは80%体内で生成されて、食事の影響は20%しかありません。
食生活の乱れを改善するだけではコレステロールが下がらないことが多い。この場合は病院に行くか、健康食品を試してみましょう。
魚油・納豆パワーが効く!
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4.すでに治療している方へ
自覚症状がまったくないので、お薬をやめたくなる気持ちは分かります。血液検査でお金がかかるコトもあるでしょう。しかし、あなたの隣にはサイレントキラーが微笑んでいるコトを忘れないでください!
4-1.薬をやめたい
コレステロールの薬で一番多く使われているのはスタチンと呼ばれるお薬です。スタチンを飲み始めた患者の30%が半年以内に治療をやめているというデータがあります。
原因はいろいろとあると思いますが、かかりつけ薬剤師に必ず相談してください!何かいい方法を教えてくれますよ。
4-2.筋肉が溶ける副作用
コレステロールを下げる薬で気をつけて欲しいのは横紋筋融解症と呼ばれる副作用です。ほとんどのケースで、定期的に血液検査をしていれば大事に至るコトはありません。一部の薬はグレープフルーツを食べることでリスクが上がるので注意してください。
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6.まとめ
自覚症状のなさから軽く思われがちなコレステロールを侮ってはいけません!最近、血液検査はしていますか?
コレステロールを下げるお薬を飲むすべての患者さんにお渡ししたい指導せんです。