退職リスクに備える!5つのタイプ別薬剤師の取扱説明書

かかりつけ薬剤師指導料が導入されて調剤報酬のフィーは薬局から個人につくようになりました。かかりつけ薬剤師指導料を多く算定している薬剤師に、急にやめられたらどうでしょうか?経営者にとって頭を悩ます問題の一つです。こんな事態にならないために、5つのタイプ別薬剤師の取扱説明書をご紹介します。

1.退職リスクの備え方

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勤務薬剤師にとって「退職願」は最後の悲痛な叫びです。経営者にとっては一番避けたい事実ではないでしょうか?社員が願う条件をのむか、退職願をのむか、突如として2択を迫られる。敏腕社長はこの退職というリスクをコントロールする術を知っています。

1-1.クライシスマネジメント

「やめる」というリスクが起きたときにどう対応するか想定しておくことで社長の動揺を最小限に抑えます。退職の5割は感情的な理由によるものです。動揺した社長が感情的に受け答えをしては話がまとまるわけがありません。待遇を上げるのか、仕事量を見直すか、人員配置を見直すか、社長が譲歩できる範囲を想定しておきましょう。「想定外」は避けたいところです。

1-2.リスクマネジメント

「やめる」というリスクが起こらないようにするには、普段からコミュニケーションを十分にとる必要があります。一律に待遇を改善しても、人は喜ばないことをご存知でしょうか?休みがなくても残業代でお金を稼ぎたい人、お金よりも有給がほしい人、とにかく患者さんにもっと接したい人、個々人に応じた改善をしていくことがポイントです。社員の身近な環境変化に敏感になりましょう!

2.タイプ別の取扱説明書

薬剤師があなたの薬局で働いている理由は人それぞれ、決してみんなが同じではありません。年齢、結婚、子供、親、住まい、ローンの有無、将来の夢、経営方針、設備、社長の人柄などいろいろな理由からあなたの薬局を選んでいます。

2-1.年収タイプ

ひたすら年収を追い求めるタイプです。残念ながら高年収で採用した、もしくはヘッドハンティングした薬剤師はいつかあなたの薬局を去っていきます。さらに高年収を掲示した薬局に引き抜かれるか、独立するかです。このタイプの薬剤師は、常に転職サイトを閲覧して高年収を掲示する薬局がないか、独立案件がないか、コンサルタントと連絡をとりあっています。

取扱説明書
年収タイプの薬剤師には、他社に負けないくらいの高年収を掲示し続ける必要がある。業務内容によっては働き甲斐タイプ、惚れたタイプに変わる可能性もあります。ワクワクするようなやりがいのある仕事を与え、相応のフィーを設定することがポイントです。

2-2.働き甲斐タイプ

与えられる仕事の質を求めるタイプです。自分のやりたい事と薬局の方向性が合致しているかを極めて重要視しています。入社した段階では、ほとんどのケースで方向性は合致していると思いますが、経営者の方針変更についていけないと判断された場合は即座にやめるリスクが高くなります。

取扱説明書
働き甲斐タイプの薬剤師には、いかにその人の方向性と合致した仕事を与え続けられるかがキーポイントです。経営方針を変える場合は、トップダウンではなく一対一で入念にコミュニケーションをとる必要があります。

2-3.労働環境タイプ

圧倒的に女性に多いタイプです。出産、子供の養育、親などの家庭環境を重視するため労働環境こそが第一と考えています。職場への距離、休みの取りやすさ、診療科の内容などいろいろな事を加味してあなたの薬局に就職しています。労働環境の変化や社内の人間関係がこじれない限り、このタイプの薬剤師は安泰といっていいでしょう。

取扱説明書
労働環境タイプの薬剤師には、納得する労働環境を与える必要があります。職場の人間関係がこじれると退職されるリスクが高くなるので、普段からコミュニケーションをとっておくことが大切です。

2-4.惚れたタイプ

社長の人間性に惚れて入社を決めたタイプです。年収、労働環境ではなく、あなたの下で働らいて学びたいという思いが強いです。社長の人間性が変わらない、努力を怠らない限り、このタイプの薬剤師から見限られることは稀でしょう。

取扱説明書
社長の人間性・方向性がぶれない限りは退職されるリスクは低いでしょう。常に社長自身もブラッシュアップし続けることが大切です。薬局の未来について社員に語っていますか?薬局の方向性を常に示し続けることも大事ですよ。

2-5.モンスタータイプ

何かにつけて文句をいったり、職場の風紀を乱すタイプです。遅刻の常習犯、会社方針に従わない、患者さんへの態度が横暴、などいくら注意をしても改善しない。どこの薬局にもこのような薬剤師は少なからずいると思います。

取扱説明書
このタイプの薬剤師はたとえ能力が優秀であったとしても早めに見切りをつけたほうがいいでしょう。薬局全体の指揮が下がることで、他の薬剤師が退職する原因になりかねません。

3.タイプは常時変化

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入社時と比べて家庭環境や職場環境は必ず変化していきます。今回導入されたかかりつけ薬剤師指導料でも「算定するか」どうか薬局の方向性に反発する薬剤師は必ずいます。社長は、薬剤師のタイプの変化を柔軟にとらえてコミュニケーションを図っていく必要があります。

4.まとめ

最近、薬局の巡回を怠って飲んだくれていませんか?社長室にこもっていませんか?その間に社員の心情は刻々と変化していっているかもしれませんよ。

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