「シックディ」について指導されたことはありますか?誰でもかかる風邪、胃腸障害のときにシックディの罠は潜んでいます。今回は、シックディのときに注意して欲しい大原則を4つご紹介します。
1.シックディとは?
糖尿病の人は風邪や胃腸障害といった、ちょっとした病気で体調が急激に悪くなったり、血糖コントロールが制御できなくなります。糖尿病の人にこうした病気による体調不良が起きたときを”シックディ”とよぶ。
シックディを起こす症状とは?
シックディにはさまざまなケースがあり、高血糖になったり、低血糖になったりします。それぞれどういった状況で起こる可能性があるのか覚えておきましょう。
- 高血糖になる場合
- 低血糖になる場合
発熱・下痢・嘔吐といった症状から脱水になり、血が濃くなることから血糖濃度が上がり高血糖になります。血が濃くなることで、血流が悪くなり心筋梗塞や脳卒中といった病気の引き金になることもある。
激しい口渇、多尿、全身倦怠感、嘔吐など
食欲不振の場合は、糖分の摂取量が著しくおちることから低血糖をひきおこす。ご飯が食べられないのに血糖値を下げる薬を飲んでいるときは、低血糖のリスクがさらに上がる。
激しい空腹感、冷や汗、ふるえ、視力低下など
2.シックディの対応大原則4つ
血糖値が測れる方はなるべく測定して現状を把握することが重要です。
⦿ 高血糖時 200mg/dl以上
⦿ 空腹時の正常値 70-110mg/dl
⦿ 低血糖時 60mg/dl以下
- 十分な水分補給をする
- インスリンは絶対にやめない
- 食欲不振時は糖尿の薬を中止する
- 病状が続くときは病院へ行く
30分にコップ1杯の水を目安に積極的に水分をとることが大切です。嘔吐や下痢をしているときはスープやみそ汁などミネラルの含むものをとると効果的!糖分の多い清涼飲料水の飲みすぎには注意しましょう。
たとえ食事が一切とれなくてもインスリンだけは絶対にやめたらダメ!血糖値のバランスが崩れて昏睡になる可能性があります。ただし、食事量に合わせてインスリンの量を普段の半分程度に抑えることは可能です。
食事がとれないときは内服薬をやめたほうがいいでしょう。食事量に合わせて普段の半分などで調節してもいいかもしれません。
糖尿病の方は単なる風邪だと思っても、なるべく病院へ受診したほうがいいです。特に、高血糖もしくは低血糖が著しく進んでいる場合は一刻を争うことも考えられるので早めに行くことをおすすめします。
3.記事の指導せん
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4.まとめ
今回は、シックディの対処方法について大原則を4つご紹介しました。取り返しがつかない事態になる前にしっかり病気について学んでおきましょう!
糖尿病の患者さんで、風邪や嘔吐・下痢がある患者さんにお渡ししたい指導せんです。