ステロイド内服薬で注意して欲しい副作用の自覚症状3つ

「ステロイド内服薬って怖そう」

あなたはステロイドと聞いてどのような感情を抱きますか?

「副作用がきつそうだよね」
「やめられないんじゃないの」

このように思っている患者さんは多い。
すべての診療科で処方されるようになったステロイドは、実は病気に悩んでいる私たちの体を早期に治療してくれる素晴らしい薬です。



1.ステロイドとは何か?

ステロイドは体の副腎から分泌されているコルチゾールとほぼ同じものです。プレドニゾロンという薬に換算して3~5mg/日くらい分泌されています。

1-1.期待する効果

ステロイド内服薬は気管支喘息・膠原病・難聴・アトピーまで幅広い疾患に効く薬です。強力な炎症・免疫異常を抑える効果に優れています。ステロイドしか効かないという病気も数多く存在します。

1-2.日内リズムに合わせて

ヒトのステロイド分泌は朝に高く、午後から低下し、夜中に最低のレベルになります。この日内リズムに合わせてステロイドは朝に服用するのが理想です。副作用を軽減する効果も期待できます。

2.副作用について

飲む量が多いほど副作用は起こりやすい。飲む量が少なくても副作用が起こる可能性はあるので注意が必要だ。

ここで重要なことは、副作用が起こっても飲む量が減れば改善していくことを分かって欲しい。

2-1.急にやめると危険

数日間の服用で急にやめても問題ありません。数週間以上にわたってステロイドを服用すると、体内でステロイドを分泌している副腎が休んでしまいます。

ここで急にやめると急激なステロイド不足状態となるため、副作用や病気が再燃する原因になります。長い時間をかけて少しずつ減らしていく必要があります。

2-2.副作用を未然に防ぐ

ステロイド内服薬で起こる副作用を未然に防ぐため、他のお薬と一緒に飲むことが多い。副作用を軽減する目的で薬の種類が増えてしまうこともあります。

胃腸障害
胸やけ・吐き気が起こる可能性が高いです。胃潰瘍などの既往歴がない患者でも、胃を保護する目的で胃薬と合わせて処方されることが多い。
骨粗鬆症
ステロイド内服薬を3ヵ月以上続ける場合は、骨密度が下がるのを抑える目的で処方されることが多い。65歳以上の高齢者ではほとんど併用されています。

3.注意すべき副作用

普段の生活で、患者さんに注意して欲しい副作用の初期症状についてまとめました。

  1. 感染症
  2. プレドニゾロンで20mg/日以上飲んでいる方は特に注意が必要です。風邪、インフルエンザ、水虫、帯状疱疹といった病気にかかりやすくなります。

    手洗い・うがいをしっかりおこない、冬場は人が多いところを避けましょう。

  3. 胃腸障害
  4. 胃潰瘍にかかったことがある方・胃が弱い方は特に注意が必要です。症状がなくても予防目的で胃粘膜を保護する薬と併用されることが多い。

    胸やけがきつい患者さんは胃酸を強力に抑える薬もあるので、必ず医師に伝えて下さい。

  5. 精神障害
  6. うつ病の薬を飲んでいる方は特に注意が必要です。精神疾患に係わる薬を飲んでいない方でも、不眠・意欲がない・気分が高揚するといった症状がでれば必ず医師に伝えて下さい。



4.記事の指導せん

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bztonpukuinsatu

HAMAYO
薬剤師からのコメント
ステロイド内服薬を飲んでいるすべての患者さんにお渡ししたい指導せんです。自覚症状がある副作用の初期症状を知っておきましょう。

5.まとめ

ステロイド内服薬は優れた効果を持っている反面、使い方を誤れば副作用の心配もあります。副作用を未然に防ぐために必ず医師の指示とおりに薬を飲みましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!