「ジェネリック率80%なんて無理だろ!」
上司から後発医薬品調剤体制加算を早急に算定するように言われて困っている薬剤師のみなさ〜ん。
「なかなか患者が同意してくれない」
「処方箋に✖️があって変更できない」
そんなお悩みを解決する糸口がオーソライズドジェネリックにあります。薬局のGE推奨品は残しつつ、オーソライズドジェネリックを採用して先発品をなくす。
1.オーソライズドジェネリック(AG)とは
先発品メーカーの認可を受けて、まったく同じ成分・添加物・製造方法でつくられたジェネリック医薬品です。さらに、先発品と同じ工場・生産ラインで作っているモノもあります。
1-1.AGのメリット
通常のジェネリック医薬品でよく言われる添加物の違いがないので、先発品に対して強い思いをもつ患者でも安心して服用できます。
もちろんジェネリックの最大のメリットである負担額の軽減もあります。変えない理由はまったくないでしょう。
1-2.AGのデメリット
ジェネリックという言葉を聞いただけで嫌悪感をだす患者にとっては、胡散臭く信用しにくい話であり、理解までに時間がかかるコトがある。
薬局経営者としては、通常のジェネリックに比べて薬価差益が悪いというデメリットがあります。
2.AGと推奨ジェネリックのW在庫
先発希望の患者をすべてAGにして、後発希望の患者をすべて推奨ジェネリックにすれば、どちらのメリットも得ることができる!
※推奨ジェネリック(推奨GE)とは、製剤の特色・薬価差益等を考えて会社が採用したジェネリック医薬品をいいます。
2-1.患者希望で使い分ける
先発品を希望する患者はAGで調剤する。
現状、先発品を服用している患者は指導せんを使って説得しましょう。
後発品を希望する患者は推奨GEで調剤する。
現状、後発品を服用している患者はAGに変えない。
AGの説明に使える最高の指導せんはコチラへ
これで患者もすぐに理解できる!
2-2.薬価差益を最大化する
たいていの場合、先発品・AG・推奨GEのなかで最も薬価差益が大きいのは推奨GEです。次にAG、先発品の順で、先発品が最も利益率が悪いコトが多い。
もちろん推奨GE100%が理想ですが、現実的には難しい!推奨GE75%・AG25%程度を目標に考えるといいでしょう。
推奨GEにこだわりたい薬剤師へ
とっておきの魔法の言葉ありまっせ
2-3.在庫金額を最小化する
先発品の在庫数を限りなく0に近づけることで、在庫金額は最も安くなる。処方が止まるなどで生じる廃棄時の被害も最小化できます。
在庫金額を約50%抑えるかわりに、不足が起こらないように多めに在庫を持つようにしよう!
3.ジェネリック率を上げる活用方法
オーソライズドジェネリックを上手に活用して医薬品単品ベースでGE率100%を目指す!いくつかのポイントをご紹介します。
3-1.医師に営業&疑義紹介
先発品で調剤するよう処方箋に「後発品変更不可チェック」をつけてくる医師の場合、AGを発売している製薬会社のMRに営業にいってもらおう。
さらに疑義紹介をして、AGだけ変更許可をもらうといいでしょう。AGの存在を知る医師であれば、許可は頂けると考えます。
3-2.初回の場合は説明不要
先発希望の場合は、下手に説明して断られるリスクをなくすため、継続処方の場合を除いて説明・許可等なくAGで調剤してもいいと考えます。
私の経験で言えば、初回の場合で勝手に変更してクレームになったことはない!万が一、クレームになったとしても説明すれば納得してもらえるでしょう。
3-3.切り替えは包装変更で説明!?
製造工場まで同じAGの場合、先発品との違いは刻印とパッケージが違うだけです。よくある包装変更と同じ感覚で説明するのもアリだと考えます。
ジェネリックという言葉を聞いただけで話を聞いてくれないような患者さんが稀にいます。薬局で言い回しを統一してもいいでしょう。
4.まとめ
AGが発売されている先発品をなくしていけば、塵も積もれば山となる。全体ジェネリック率80%も見えてくるでしょう!