「また調剤過誤か!?
今月はもう2回目だぞ!!」
新人薬剤師が活躍している今日この頃、新人がらみのリスクが増える時期ではありませんか?

部下の調剤過誤に悩んでいる優秀な薬剤師のみんなっー。
こんな対応をとったことはないだろうか?
「なんでしっかり鑑査をしなかったんだ」
「あれだけ添付文書を見ろと言っただろ」
おそらく部下はこう思っている。
あなたも新人の時、同じように思っていたはずだ。

この忙しい状況でできるか!!
表面上は反省している態度を見せるかもしれないが、本心は何も反省なんてしていない。
いいところ、少し罪悪感に苛まれているだけだ。
優秀なあなたならもう分かっているだろう。
非難をしてもあなたにメリットなんて1つもない。

1.絶対に非難しない
アメリカの大ギャング「アル・カポネ」はこのように述べている。
俺がやっていることの何が悪い?俺は社会貢献をやっているのに、なんで刑務所送りになるのか意味が分からない。
アル・カポネ
1-1.言い訳をされるだけ
非難された人は自分を正当化しようと言い訳を繰り返し、反省どころか同僚にグチをこぼすだけだ。
人は自分の価値観を尊重し、問題の本質を会社や上司のせいにしたがる。
1-2.世界の偉人に学ぶ
人を動かす天才「デール・カーネギー」はこのように述べている。
どんな愚者でも批判し、非難し、文句を言うことはできる。そして、多くの愚者がそうする
デール・カーネギー
また、7つの習慣で有名な「スティーブン・R・コヴィー」はこのように述べている。
他人の弱点や欠点を、批判する目ではなく、慈しみ深い目で見てほしい。彼らが何をしているのか、何を怠っているかが問題ではなく、それに対してあなたがどういう反応を選択するか、あなたは何をすべきかが問題なのだ。
スティーブン・R・コヴィー
1-3.あなたのメリットを考えよう
あなたは部下に反省して欲しいのか、それとももう2度と調剤過誤をして欲しくないのか?
おそらく後者だろう。
非難したい感情をグッと抑えて、少しばかり外交戦術を使ってみようじゃないか。
2.対応話法3つの心得
「部下に反省して欲しい」と思うあなたの気持ちはどうだっていい。
なぜなら、問題の本質は「今後同じミスを起こさないこと」に重点をおくべきだからだ。
- 否定言葉を使わない
- 謝辞を伝え、相手を認める
- 対策方法を一緒に考える
どんなにあなたがイライラしても部下を否定してはならない。
そんなことは誰でもできる。
優秀なあなたはそんな愚かなことはしないはずだ。
その最高の頭脳を少しばかり使ってみてくれないか?
頑張って調剤をしている部下の労をねぎらい、感謝の気持ちを伝えてみよう。
相手の立場になって、気持ちに寄り添うことが大切だ。
自分が過去にした失敗談を交えながら、部下がしたことを認める。
すでに起こった調剤過誤を変えることは出来ないからね。
今後の対策方法を丸投げしてはいけない。
プチ会議を開いて、自分ごとのように一緒に考えてあげよう。
他の薬剤師も同じリスクを起こす可能性があることを伝え、薬局の問題として考えてもらう。
自尊心が満たされ、ヤル気を出して頑張ってくれるだろう。
3.達人の対応話法例
この3つの心得を体系化すると、まさに神対応と語り継がれるだろう達人対応が完成する。
話法例

もうクラリスロマイシンは投薬してしまったぞ・・
この前、注意喚起も流れていたし、絶対怒られるだろうな。)
ビクビクしながら上司に電話する。

ベルソムラ錠を飲んでいる患者にクラリスロマイシンを投薬してしまいました。

誠実に報告してくれたことに感謝するよ、ありがとう!


対応を考えるから、経過を教えてくれないか?


これだけ薬の数も多くなっているんだ、○○さんが調剤過誤をしてしまうのも当然だよ。
私だって君と同じ状況だったら、同じミスをしていたかもしれない。


○○さんならどう対応する?

このようにしてみてはどうでしょうか?



もし、話がこじれるようなコトがあれば、私が責任を取る。
○○さんになら出来るはずだ。
患者対応をやってみてくれないか?

やってみます。

患者対応が無事終了する。

疑義照会したところ、薬が変更になったので取り替えにいきます。

今後も些細なことでもいいので、何か間違いがあったときは今回のように報告してくれると助かるよ。


今後、また誰かが同じようなミスをする可能性もある。



ただ、部長なんて滅相も無いです。



では、ここを少しアレンジしてはどうだ?


ヒヤリハットでも、何か共有した方がいい事例があれば教えてくれると助かるよ。
4.過誤を繰り返す薬剤師の対策方法
こんなに間違える薬剤師は左遷だと考えるのは早計だ。
ある意味、この薬剤師こそあなたの薬局を救う救世主だと考えた方がいい。
調剤過誤を繰り返す薬剤師だからこそ、その欠点に本気で取り組める。
つまり、問題の本質を見抜く力が眠っている可能性が高いのだ。
4-1.調剤過誤対策リーダーに指名
リスク委員会でも作って、そこのリーダーに抜擢しよう!
自尊心がくすぐられ、ヤル気を出して頑張ってくれるだろう。
隔週でもいいので、インシデント報告書を作ってもらい各薬局に配信する。
報告書の内容は非難しないで、褒めることが大切だ。
4-2.自尊心をくすぐる
調剤過誤が多い薬剤師は、まわりから必要とされていない人間だと思っているかもしれない。
この傷ついた自尊心を回復させないと、いつまでも失敗を繰り返すだろう。
そこをあなたの立場から認めてあげるのだ。
君こそ薬局にとって必要な薬剤師だと言うことをね。
5.まとめ
はらわたが煮えたぎるほど憤りを感じて部下を怒りたくなったとき、この記事の内容を思い出して欲しい。
「ちょっと待て。ここで怒っても何のメリットもないぞ!
少し頭をひねって解決方法を考えてみようじゃないか」
