「低血糖はありませんか?」糖尿病の患者によくする質問かと思います。ほとんどの患者が「ない」と答えますが、糖尿病に低血糖はつきものです。低血糖は日常の様々なシーンで起こる可能性があり、初期症状を知っておかないと致命傷になりかねません。ぜひこの指導せんを使って、症状と対処方法を指導してください。この指導せんは何度でも渡したい重要事項です。
1.低血糖はどういったときに起こるのか?
運動のしすぎ、アルコールを飲んだとき、下痢・嘔吐があるとき、食事がとれないときなどで低血糖が起こる可能性があります。こういったときに、これからいう症状があるときは注意して欲しい。
⦿ 空腹時の正常値 70-110mg/dl
⦿ 低血糖時 60mg/dl以下
2.低血糖の症状とは
これらは低血糖の初期症状です。このような症状が起こっているときはなるべく早めの対応が重要となります。たとえ患者さんが低血糖がないと言っても、この指導せんと一緒に数回分はブドウ糖を渡しておいたほうがいいでしょう。
- 発汗(冷や汗)
- 手足のふるえ
- 動悸・不安感・脱力感
- 強い空腹感
3.危ない低血糖の症状とは
脳の栄養源はブドウ糖だけです。それ以外は栄養源にすることができません。脳が低栄養状態になると次のような症状がでてきます。これらの症状がでてきたときは低血糖がかなり進行している状態になります。救急車を呼ぶなど早急な対応をすることをおすすめします。
- 頭痛
- ものが2重に見える
- 視力低下
- 精神錯乱・おかしな行動
- けいれん・昏睡
4.低血糖の治し方は
ブドウ糖を1袋(約5~10g)とることが一番の改善策です!
常に財布等に1~2回分をいれておくよう指導します。ブドウ糖がない場合は、飴や糖分を含んだジュースなどで代用することもできますが、効果が遅いので予め渡しておきましょう。ブドウ糖を1袋とって15分経過しても症状が改善しないときは、もう1袋服用する。さらに15分経過しても症状が改善しない場合は緊急性が高いので救急車を呼ぶことをおすすめします。
5.記事の指導せん
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5.まとめ
今回は低血糖の症状と対処方法についてご紹介しました。低血糖は糖尿病の患者さんであれば必ず起こる可能性があります。今回の指導せんは何度お渡ししても足りないくらいです。ぜひブドウ糖と一緒に指導せんを渡してみてください。患者さんも喜んでくれると思いますよ。
糖尿病で薬を服用・インスリン治療中の患者すべてにお渡ししたい指導せんです。また一部の抗不整脈薬でも低血糖が起こるおそれがあります。