週刊現代「飲み続けてはいけない薬」一覧の対応方法まとめ

週刊現代「医者に出されても飲み続けてはいけない薬」が大きな波紋を広げています。医師や薬剤師の先生は日々、対応に追われているのではないでしょうか?

今回の雑誌だけでなく、患者さんはネットの情報や友達から聞いた嘘か本当か分からないような情報に右往左往されるものです。そんなときこそ、かかりつけ薬剤師が患者さんに安心を与える役割を担うべきですよね!

1.対応方法まとめ

患者さんから「本当にこの薬はずっと飲んでいても大丈夫なんですか?」と聞かれたときの対応方法をご紹介します。ぜひご参考にしてください。

1-1.根拠(エビデンス)に基づく医療

対象薬リスト

  • 抗血栓薬:プラビックス、イグザレルト
  • 高血圧薬(ARB):ブロプレス、オルメテック、ミカルディス、ディオバン、アジルバ
  • 高脂血症(スタチン):クレストール

過去の統計データ、大規模な臨床試験において脳卒中・心筋梗塞などの発症リスクが下がることが明らかになっています。医師の主観で、この薬は効くと思って使っているわけではありません。

これらの病気は発症すれば命にもかかわる恐ろしい病気です。命は助かっても重い後遺症が残るケースもあります。少しでも発症リスクを下げるために薬を飲む必要があります。


話法例

患者
なぜ薬を飲む必要があるんですか?
薬剤師
薬を飲んでいる人のほうが脳卒中・心筋梗塞などの発症リスクが下がることが過去の統計から明らかになっています。発症リスクを少しでも下げるために薬を飲む必要があります。

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1-2.飲み続ける必要性

対象薬リスト

  • 認知症薬:アリセプト

残念ながら認知症を治す治療薬はまだありません。アリセプトに代表する認知症薬は進行を抑えるだけです。それゆえに早期の治療が重要となってきます。

アリセプトで攻撃性が増えるケースには漢方の抑肝散が著効を示します。副作用を懸念して自己判断で薬をやめれば、身の回りのこともままならないくらい認知症が進行してしまうリスクがあります。


話法例

患者
飲み続けても大丈夫ですか?
薬剤師
残念ながら認知症を治す薬はありません。進行を少しでも遅らせるために薬は続ける必要があります。介護者の負担は計り知れないので、接し方などお悩みがあればご相談にのります。

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1-3.副作用と上手に付き合う

対象薬

  • 高脂血症:クレストール
  • 糖尿病(DPP4):ジャヌビア、エクア、ネシーナ

クレストールで筋肉を溶かすと言われる横紋筋融解症は1000人に1人程度の確率で起こる副作用です。DPP4に限らず糖尿病治療に低血糖はつきものです。これらの副作用は初期症状を正しく理解しておけば大事に至ることはありえません。

副作用のため薬を変える患者さんがいる一方で、圧倒的多数の患者さんがこれらの薬を飲むことで合併症のリスクを回避しています。お薬には二面性があることを知り、定期的に受診して上手に副作用と付き合うことが大切です。


話法例

患者
副作用が怖いって本当?
薬剤師
お薬には副作用はつきものです。副作用は初期症状を知ることで未然に防ぐことができます。お薬をしっかり飲むことで合併症のリスクは下がります。何か心配なことがあればお気軽にご相談ください。

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1-4.飲み合わせはお薬手帳が大事

対象薬リスト

  • 統合失調症:ジプレキサ

ジプレキサに限らず飲み合わせの悪い薬や現病歴から使えない薬はいくつかあります。これはお薬手帳を病院・薬局に持っていき医師・薬剤師に確認してもらうことで必ず回避することができます。

皮膚科や眼科など飲み薬とは関係なさそうな病院に受診するときもお薬手帳は必ず持参する必要がある。飲んではいけない薬をチェックできる唯一のツールです!


話法例

患者
飲み合わせが悪い薬なの?
薬剤師
お薬手帳で飲み合わせのチェックをしています。これを忘れると飲み合わせのチェックをすることができません。薬に限らずサプリメントや健康食品でもトラブルが起こる可能性があるので、お薬手帳に書いておきましょう!

1-5.セカンドオピニオンを検討

対象薬リスト

  • 抗うつ薬 : パキシル

抗うつ薬は自己判断で薬をやめると、うつ症状が急激に悪化する可能性があります。うつ治療は医師との信頼関係がとても重要なファクターとなってきます。

あなたが医師を信頼できないようであればセカンドオピニオンを検討することをおすすめします。安易に薬を中止することだけは必ず避けるべきです。


話法例

患者
本当にうつなの?
薬剤師
これらの薬は自己判断で薬をやめると、症状が急激に悪化する可能性があります。安易に薬をやめるのは危険です。医師との相性が悪いなどあれば、セカンドオピニオンを検討してみてはいかがでしょうか?

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2.記事の指導せん

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tudukeruimiinsatu

HAMAYO
薬剤師からのコメント
ネットや雑誌の情報で不安を抱いている患者さんにお渡ししたい指導せんです。

3.まとめ

医師が薬をだせば儲かるという時代は終わりました。いまは薬剤師が医師の処方せんをチェックする時代です。

なぜ薬を飲む必要があるのか?すべて根拠(エビデンス)があります。エビデンスを伝えることで患者さんは必ず理解してくれるでしょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

薬わかるー指導せんー:管理人
調剤薬局勤務:研修認定薬剤師

京都薬科大学卒。大手調剤DSチェーンにて管理薬剤師を経験後、調剤薬局に転職。2015年10月より薬わかるー指導せんーを設立、薬の基本が一目で分かる最高の指導せんをあなたにお届けしたい!